「聖夜」でなく「性夜」としてのクリスマス経済効果

2012.12.21

営業・マーケティング

「聖夜」でなく「性夜」としてのクリスマス経済効果

坂口 孝則
未来調達研究所株式会社 取締役

クリスマス商戦に経済効果はない。クリスマス商戦の驚きの歴史から、バブル期から昨今の経済波及範囲を明らかにする。

消費者が購入するクリスマスプレゼント数と平均単価を掛け算して経済効果を求めていたひとがいた。ううむ、それは単に百貨店の売上高予想にすぎない。しかも、毎年、全体ではプレゼント総額の絶対値もさほど変わらないわけだし(むしろ微減するにしても)。

絶対値だけを計算しても経済効果は試算できず、さらにいえば、すこしクリスマスプレゼントをふんぱつしても、そのぶん何かを節約したら経済のパイは大きくならない。何かを買う代わりに何かを買わなくなることを代替効果と呼ぶ。この代替効果まで計算している例を見たことがない。

私たちはクリスマスを、経済効果をもたらすものとしてではなく、単なる伝統行事として参加したほうがいい。もはやクリスマスは明治から続く一つの風習なのだから。

あ、俺はコミケのほうに肩入れしますけれど。

*参考文献『クリスマス―どうやって日本に定着したか』(角川書店)、『サンタクロースの大旅行』(岩波新書)

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坂口 孝則

未来調達研究所株式会社 取締役

大阪大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。未来調達研究所株式会社取締役。コスト削減のコンサルタント。『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)など著書22作。

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