情報入手が容易になり、選択肢が増えた時代の正しい就職活動とは。
就職を支援しているキャリアセンターでも、学生に対して「企業研究や情報収集をしなさい」「活動量を増やしなさい」「就職サイトに登録し、どんどんエントリーしなさい」と指導しているし、選択肢を沢山作って、情報をしっかり入手・検討することが、よい選択につながると思い込んでいるようだが、それは逆効果である。また、そうやってパワーをかけさせるから、後悔が大きくなってしまう。
昔は、三択問題を出されて(理系では選択肢は1つだったりした)、その選択についてOBや教授がこれを選べと盛んに介入してきて、最後は“えいや!”で選んだ(選ばされた)が、ミスマッチは大した問題にならなかったし、仮にあとで間違ったか?と感じても、仕方ないと割り切って頑張れた。
就職サイトによって情報や選択肢が爆発的に増えたのは、学生にとって良いことのように見えたし、だから、大学の就職支援はそれに乗っかるように、沢山の選択肢を見比べ、情報収集を行い、十分に吟味することを盛んに勧めている。しかし結果として、学生生活に支障を来たし、会社の選択においては迷い、間違い、後悔する学生が増えているのは皮肉な結果だ。
情報過多の時代における就職支援は、どんな会社からも内定をもらえるような一部の学生を除けば、いかに選択肢を狭めてあげられるかにかかっている。内定が取れない学生に対しても、数を打ちゃ当たるというような指導をするのではなく、選択肢を絞り込んで集中させるほうが良いに決まっている。
高齢者の充実したライフスタイルを提言する、「老いの工学研究所」
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。