根本的に間違っている就活と就職支援

2012.10.31

組織・人材

根本的に間違っている就活と就職支援

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

情報入手が容易になり、選択肢が増えた時代の正しい就職活動とは。

就職を支援しているキャリアセンターでも、学生に対して「企業研究や情報収集をしなさい」「活動量を増やしなさい」「就職サイトに登録し、どんどんエントリーしなさい」と指導しているし、選択肢を沢山作って、情報をしっかり入手・検討することが、よい選択につながると思い込んでいるようだが、それは逆効果である。また、そうやってパワーをかけさせるから、後悔が大きくなってしまう。

昔は、三択問題を出されて(理系では選択肢は1つだったりした)、その選択についてOBや教授がこれを選べと盛んに介入してきて、最後は“えいや!”で選んだ(選ばされた)が、ミスマッチは大した問題にならなかったし、仮にあとで間違ったか?と感じても、仕方ないと割り切って頑張れた。

就職サイトによって情報や選択肢が爆発的に増えたのは、学生にとって良いことのように見えたし、だから、大学の就職支援はそれに乗っかるように、沢山の選択肢を見比べ、情報収集を行い、十分に吟味することを盛んに勧めている。しかし結果として、学生生活に支障を来たし、会社の選択においては迷い、間違い、後悔する学生が増えているのは皮肉な結果だ。

情報過多の時代における就職支援は、どんな会社からも内定をもらえるような一部の学生を除けば、いかに選択肢を狭めてあげられるかにかかっている。内定が取れない学生に対しても、数を打ちゃ当たるというような指導をするのではなく、選択肢を絞り込んで集中させるほうが良いに決まっている。

高齢者の充実したライフスタイルを提言する、「老いの工学研究所」

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。

フォロー フォローして川口 雅裕の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。