「モノ」にも同情するから捨てられない?

2012.10.02

営業・マーケティング

「モノ」にも同情するから捨てられない?

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

人が痛がったり悲しんでいる様子を見ると、私たちの頭の中にある「同情ニューロン」と呼ばれる神経回路が反応して、その人と同じような気持ちになります。 実は、「モノ」が壊されたりするのを見ても、やはり「同情回路」が活性化するようです。

すなわち、私たちは、「動物」や「植物」などの、生命を持つものたちだけではなく、単なる「モノ」に対しても、

「同情」

してしまうのです。

池谷氏は、こうしたモノに向けられた同情こそが

「もったいない」

という感情の源になっているのではないかと述べています。

モノをいわば「擬人化」して、彼らが感じているであろう「痛み」に対して同情心を抱いてしまうと想定される。だからこそ、もはや不要になってしまった持ち物が、なかなか捨てられないのでしょうね。

近年、

「断捨離」

をはじめとして、不要なものを思い切って処分するテクニックがブームになっていますね。

モノに対してさえ抱いてしまう「同情」を乗り越え、所有物を処分するのは本当に大変だからこそ起きている

整理整頓ブーム

と言えるでしょう。

そういえば、同情ニューロンについての男女差を考慮すると、男性よりも、女性の方がモノをなかなか捨てることができず、

「モノを溜め込みやすい」

という仮説が立てられますが、実際どうでしょうね?

*同情ニューロンについては、
 
『脳には妙なクセがある』(池谷裕二著、扶桑社)

を参考にしました。

『脳には妙なクセがある』(池谷裕二著、扶桑社)

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これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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