誰かを一瞬にして幸せにする方法。 それは、その人の良いところを見つけて 「ほめる」 ことです。
「ほめること」は簡単なようで、実は慣れないとなかなか難しいもの。
とはいえ、たとえ歯の浮くような
「お世辞」
であったとしても、言われた方は悪い気はしないものですね。結果、人間関係がより良いものとなり、ほめた人も幸せを感じることができます。
自動車ディーラーの営業担当者、および彼らの顧客両方を対象にして行なわれた
アンケート調査によれば、成績の良い営業担当と、あまり良くない営業担当の大きな違いの一つとして、
「お客さんのことをほめること(お世辞が言えること)」
が抽出されています。
お客さんのことをうまく「持ち上げること」ができる営業パーソンほど、よりたくさんの車を販売できているのです。ほめることで、お客さんを幸せな気持ちにさせ、購買意欲を高めているということでしょう。
お客さんもハッピー、営業パーソンもクルマが売れてハッピー。
この結果を受けて、そのディーラーでは、営業パーソンを対象とした
「お世辞研修」
を開催しているそうです!
さて、ほめることは、相手を肯定的に認めることであり、いわゆる「承認欲求」を充たすものです。そして、認められた人は幸福感を得るだけでなく、日々積極的に活動できる
「動機づけ」
ともなることがわかっています。
ですから、お互いにほめあうような文化が定着している企業は、高い業績を維持することができるわけです。
ただ、職場にしろ、家庭や友人関係にしろ、お互い身近になればなるほど、
「良い点」よりも、「良くない点」のほうが気になってくるものですね。
いつもついつい粗探し、
「こうすればいいのに」「こうすべきだ」
といった批判的な言葉が口に出てしまいがち。
批判的な言葉は、もしそれが相手の改善すべき点を指摘するものであれば、その人の成長を促すきっかけにもなりますので時に必要ではあります。
大事なのは、「ほめること」と「批判すること」のバランスです。
夫婦間のコミュニケーションについての心理学研究によれば、夫婦関係が円満な男女の場合、お互いにほめあう回数が、批判の5倍も多かったそうです。
つまり、
ほめる(肯定的発言):5 批判する(否定的発言):1
ということです。
この割合が縮小すればするほど夫婦間の危機は高まります!
夫婦が同席する15分間ほどのインタビューを見れば、両者の会話における肯定・否定の比率から、将来の離婚率が90%の確率で予測できるのだそうです。
私自身も、過去の失敗(!)を踏まえ最近は、身近な人ほど積極的にほめようと心がけています。
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2015.07.17
2009.10.31
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。