仕事とは、「能力×思い→表現」である。私が行っている中学生向けキャリア教育の授業には、十分大人になって働いている皆さんにとっても、いまだ有効な気づきを与えてくれると思います。では、10枚のスライド講義をはじめましょう。
◆遠くない将来に来る「就職」
みなさんは、いま学業に専念できる時期ですが、すぐに年月は経ち、「就職」という人生の大きな選択をするときがきます。そのとき、自分に問われることは3つです。
1)どれだけ豊かに「能力」を貯蔵したか?
2)どんな「思い」を強くもっているか?
3)世の中に何を「表現」していきたいか?
この3つについて準備をするためには、もちろん自分一人では難しいところもありますから、親や先生とも普段からいろいろと話をしてください。そして、特に「思い」や「表現」について考えを広げるためには、読書をしてください。私は歴史上の偉人の本を読むことを強く勧めます。そこからは、大きな生き方・大きな考え方が学べるからです。
また、新聞などの記事には、いろいろな人のいろいろな仕事ぶりが紹介されています。世の中にはこんな思いで、こんな仕事をしている人もいるんだという模範を多く知るために、新聞をときどきのぞいてみるといいですよ。
◆「自律的な人」とは
就職にせよ、そして大きくは人生にせよ、最終的には、自分が一人で決断し、切り拓いていくものです。自分で考え、自分で行動する人を「自律的な人」といいます。
自律的な人は、「能力」「思い」「表現」についても、こういうことができる人です。
最後になりましたが、「偉人・賢人のことば」を紹介しておきましょう。
これらの言葉は、たとえて言うなら、お寺にある「鐘」のようなものです。細い棒でたたけば、ちいさな音しかなりませんが、大きな丸太でドーンとたたけば、ゴォオーーーンという大きな音がなります。
いま、これらの言葉を読んで、あまりゴォオーーーンとこないかもしれない。それは、まだ、みなさん持っている棒が細くて小さいからです。ところが、もっと大人になって、うんと悩んだときに、これらの言葉を思い出してください。そのときは、きっと大きな音が自分のなかで鳴り響くでしょう。
〈賢人のことば〉
○「夢見ることができれば、成し遂げることもできる」。
───ウォルト・ディズニー
○「3人のレンガ積み」の話;
中世のある町の建築現場で3人の男がレンガを積んでいた。
そこを通りかかった人が
「何をしているのか?」と男たちにたずねた……
1人めの男は、「レンガを積んでいる」と答えた。
2人めの男は、「食うために働いているのさ」と言った。
3人めの男は、明るく顔を上げてこう答えた。
───「後世に残る町の大聖堂を造っているんだ!」と。
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【中学生向け「働くって何だろう?」の授業をあなたに】
2013.07.17
2012.08.01
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。