アジャイルソフトウェア開発はソフトウェア開発の一つの方法にすぎませんが、重要なことはマネジメントに対して価値の転換を要請しているということです。これまでのマネジメントのやり方や考え方にとらわれず、時代やビジネス環境の変化に伴う価値の転換を敏感に察知して、「俊敏に(agile)」その価値観を行動に反映する構えを持つということが、アジャイルソフトウェア開発者からの重要なメッセージではないでしょうか。
誤解の無いように断っておきますが、私はそれが悪いと言っているのではなくて、新しい価値観が大切だと頭で理解するのと、新しい価値観に基づいて行動を変えるのは別次元の問題で、行動が変わらなければ真に理解しているとは言えないのではないか?ということなのです。私の知るマネージャーの多くは、あまり疑問を感じないで従来のやり方を踏襲しているように見えます。
「俊敏に(agile)」その価値観を行動に反映する構えが重要
改めて『アジャイルソフトウェア開発宣言』の4つの価値観と12の原則(リンクを参照)を精読して気付くのは、ビジネス環境の変化に柔軟に対応しながら、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供し続けることと、人を中心に考え、対話や協調、信頼をベースにチームが潜在的に持っている卓越した能力を引き出すことによって問題を解決することが大切だと考えるということです。これはビジネスの現状と今の時代の要請に適っているように感じます。
マネジメントはその特性として惰性が強くなりがちなものです。私自身も実現可能な計画を立て、プロセスを定義し、計画通りに適正な時間をかけて、適正なコストで、適正な品質のソフトウェアを提供するという従来型のマネジメントの重要性は身にしみて理解していますが、これまでの考え方ややり方にとらわれず、時代やビジネス環境の変化に伴う価値の転換を敏感に察知して、「俊敏に(agile)」その価値観を行動に反映する構えを持つことこそが、アジャイルソフトウェア開発者から我々マネジメントをする者への重要なメッセージであると感じます。
これは私自身の気付きであり、できればそれを皆さんと共有することを願って、ここに書き留めるものです。
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