グーグル「SSL化して検索キーワード見えなくするよ」 Web担当者「ええぇ? (not provided)って何!」
このリダイレクトURLにより、「グーグル検索から来た」ことはわかりますが、検索キーワードはわからないという状態になるのです。
実は、これまでのHTTP(非SSL)検索でも、ブラウザは検索結果ページからあなたのサイトに直接移動しているのではなく、いったんリダイレクトURLを通っているのですが、ほとんど影響がないので無視しても問題ありませんでした。
しかしHTTPS検索では、意図的に検索キーワードを削除したリダイレクトURLを使っています。つまり今回のSSL化は、「検索キーワードをジャンプ先のサイトに渡さないため」に行われているものなのです。
※ここでいう「検索キーワードを渡さないため」というのは、検索ユーザーのプライバシー保護の観点からという意味で使っています。SSL通信というと通信の保護が目的ですが、今回のSSL化は単なる通信の暗号化だけでなく、プライバシー保護も目的に行われているということですね。
そして残念なことに、オーガニック検索ではジャンプ先のサイトには隠される検索キーワードは、リスティング広告経由ならばリファラー情報として取得できるのです。うーん。
海外では怒りの声が。でも影響範囲は限定的……うーん
こうしたグーグルの動きに対して、海外ではすでに反対の声が上がっています。
「"グーグルは検索ユーザーのプライバシー保護のためにこうしたと言っているが、リファラーのキーワード情報をうまく使っている他の広告ネットワークに情報を渡さないようにするためだ"」と怒りを表すブログ投稿もありますし、SEOmozのランド・フィッシュキン氏は怒りの解説ビデオ記事を緊急で公開して「良くないと感じた人は、文句を言うだけじゃなく、ブログ記事を書こう」と呼びかけています。
もちろん、現在はグーグルアカウントにログインしているユーザーだけが対象(しかも一部だけの模様)ですから、さほど数は多くないようです。SEOmozによると、(not provided)なデータは現時点で全体の2%前後であり、今後増えていっても、おそらく90%ぐらいのトラフィックはこれまでと同様に分析できるだろうとしています。
しかし、もしこれが増えていくと……もし非ログインユーザーも含まれるようになると(そんな予定は出されてませんが)……サイトを訪れるユーザーの意図や行動を把握するのが難しくなってしまうのではないかと不安になります。また、一部とはいえ貴重なロングテールのキーワードデータが失われるのも心情的には気になりますよね。
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2008.09.26
2010.04.20
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
企業のウェブサイト活用やウェブマーケティングに関するメディア「Web担当者Forum」(http://web-tan.forum.impressrd.jp/)を運営しています。