人の「心」をより的確に読むための第一歩、それは、人が持つ 「基本的欲求」 にはどんなものがあるかを理解しておくことです。 「基本的欲求」と言えば、誰もが思いつくのは 「マズローの欲求階層説」(「欲求5段階説」などとも言う) でしょう。
この理論を簡単に説明すると、
人の欲求には、低次元から高次元へと
以下の5つの基本欲求があると考えます。
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1.生存の欲求(食欲、性欲など根源的な欲求が満たされたい)
2.安全の欲求(生命が脅かされない、安全に暮らしたい)
3.社会的欲求(所属や愛が欲しい)
4.自我(自尊)の欲求(社会の中で承認、尊敬を得たい)
5.自己実現の欲求(自分らしさを発揮したい)
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そして、低次元の欲求が満たされることで、
初めて次の高次元の欲求へと移行するというものですね。
この理論は、
売れる商品の開発や、
人の琴線に触れるコミュニケーション施策
を考えるに当たっても確かに有用ではあります。
しかし、もうひとつ使いにくいと感じたことはありませんか。
たとえば、
「自己実現の欲求」
は、私は正直、詳しい解説をいくら読んでも、
わかったようでよくわかりません。
(それは、私の勉強不足ですね・・・確かに。すいません!)
また、マズロー説では、
エンタメ系のヒット商品が売れる理由が
うまく説明できないのです。
たとえば、
「ゲームなどをして楽しみたい」
という欲求は、上記の5つの欲求のどれにも
該当しないように思います。
というわけで、マズローの
「欲求階層説」
は、理論としては学ぶ価値があるものの、
現実への適用にはやや無理があると
私は考えています。
さて、実はもうひとつの
「基本的欲求説」
があります。
それは、
「リアリティセラピー」(現実療法)
の考案者として知られる米国の精神科医、
ウイリアム・グラッサー博士
が提唱しているものです。
グラッサー博士によれば、
人は次の5つの基本的欲求を持っています。
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1.生存の欲求
空気や水、食べ物、住居、睡眠など、
生きていくために必要なすべてに対する欲求
2.愛と所属の欲求
家族、友人、会社などに所属し、愛し愛される
人間関係を保ちたいという欲求
3.自由の欲求
自分の考えや感情のままに自由に行動し、物事を運び、
決断したいという欲求。誰にも束縛されずに自由でありたい
という欲求
4.楽しみの欲求
義務感にとらわれることなく、自ら主体的に喜んで何かを
行いたいという欲求
5.力の欲求
自分の欲するものを、自分の思う方法で手に入れたいと
思う。人の役に立ちたい、価値を認められたいという欲求
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2008.02.05
2008.03.06
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。