今日は、ある地方自治体がホームページを全面的にFacebookに移行した話題を取り上げます。「意味がわからない」「すばらしい試み」賛否両論のこの動きはアリか、ナシか。
これはアリ? ナシ? 賛否両論
市役所ホームページのFacebookページへの全面移行ということで注目を集めている武雄市ですが、当然のことながらその移行に関する評価は賛否両論となっており、「すばらしい試みだ」という賞賛もあれば、「何を考えているんだ」という問題の指摘もあります。
武雄市では、そうした意見や要望に関しても、Facebookページ上でのディスカッションボードで投稿を受付、随時回答しています。
・質問ボード
http://www.facebook.com/topic.php?topic=274&uid=194839810542098
・
http://www.facebook.com/topic.php?uid=194839810542098&topic=275
広報視点=◎、実質的な意味=これから?
では、Web担的にはこの移行はアリなのでしょうか? ナシなのでしょうか?
実験的な試みでもありますし、単に「市役所ホームページの移行」という側面だけでこの件を語るのは難しいので、少し視野を広げて考えてみましょう。
まずは広報的な観点から。地方自治体の広報活動として見ると、これは非常に成功したといえるでしょう。一般紙や各種ニュースで取り上げられており、広報的な観点からは、大きな成果を上げているといえます。
次に、「ひらかれた市政」の推進の観点。その市民へのアピールと、市長の意思を関係者に(衝撃的な形で)伝えて意識を変えさせる手段の1つとしては、効果的なのだろうと感じられます。
しかし、開かれたオープンな市政というものは、サイトをFacebookに移行すればできあがるものではありません。
情報を発信することも、情報に対するコメントを受け付けることも、ディスカッションボードでやりとりすることも、いずれもFacebookとは関係なくできるものです。ウォールでの書き込みはブログで事足りるし、コメントのやりとりも、必要ならば実名登録制でやればいい。
Facebookの利用ユーザーが今後急激に増えることを想定しているのならば、コメントなどのソーシャルプラグインを使ってオウンドメディア上で展開すればいいだけであり、無理にFacebookページに移行する必要はありません。コンテンツは市のサイト上で更新し、今のウォール相当の内容をFacebookページで更新するだけでもFacebook内の情報の拡がりは同様になるでしょう。
次のページ突っ込みどころは多々あれど
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2008.09.26
2010.04.20
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
企業のウェブサイト活用やウェブマーケティングに関するメディア「Web担当者Forum」(http://web-tan.forum.impressrd.jp/)を運営しています。