消費税引き上げは本当に必要なのだろうか?マネジメント力やリーダーシップの欠如によって消費者に負担が強いられるのは勘弁して頂きたいところである。
モジリアーニ・ミーラーは、「税率は企業価値に無関係である」とまでは言っていなかったと思うが(?)、配当政策や資本政策が企業価値に無関係であることと同じような論理で税率と企業価値の関係を説明できそうである。税金が増える分、公共事業や公的サービスの充実によって収入が増えると仮定すれば、税率に対する企業価値は一定だと考えられる。
それであれば、消費税を上げても、上げなくても一緒である。消費者の立場でも、税金負担が増えても、所得が増えるなら良いということになる。しかし、確実に増える税負担と期待される所得の増加では、確実な税負担の増加の方が重く感じられやすい。理屈は分かっても、それを信じるにはやはり強いリーダーシップや優れたマネジメント力が必要である。
モチベーションの問題もあるだろう。税金が高くなるのであれば、もっとお金を稼がなければ現在の生活を維持できなくなる。今よりも頑張って働かなければならなくなる。働いても働いても苦しくなるばかりでは望みがないが、頑張れば、それなりに報われるのであれば、消費税の引き上げは心理的にプラスになることもあるだろう。そこまで考えて、消費税の引き上げが議論されているのかどうかは分からないが、数字合わせではなく、経済、産業、組織、個人の意識のマネジメントを考えた議論が展開されることに期待したい。
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