今日は、「ゲーミフィケーション」という言葉・概念を紹介します。私もまだよく理解しきっていないのですが、今後のWebサイトやWebサービスではかなり重要度が高いのではないかと感じてるものです。
といってもゲーミフィケーションは非常に新しいものというわけではなく、同様なものは以前からネットにはありました。たとえば掲示板やフォーラム、Q&Aサイトなどでは、各ユーザーの投稿回数や回答回数、さらには「良い回答」をした回数などが表示されていて、よく回答を付ける人はそのフォーラム内でのランクが上がるようなサイトは多くありました。レビューサイトやECサイトでも、多くレビューを付けている人や「良いレビュー」を付けた回数の多いユーザーは「トップレビューアー」として特別なアイコンが表示されたりしていましたよね。
ネット以外にも、スタンプラリー的なものや商品コレクション的なものは、コンプリート欲を刺激するやり方として昔から行われていますよね。
私もゲーミフィケーションにまだそんなに詳しいわけではないのですが、最近こうしたトピックを目にすることが増え、「たしかに重要度が高まっていくだろうな」と感じています。その理由は2つあります。
1つは、「ソーシャルメディアで大切なのは共有よりも共感だと思う」の記事でも示したように、コミュニケーションにおいて論理的な(左脳的な)ものだけでなく、感覚・感情を刺激する右脳的なものの重要性が高まってきていること。ゲーミフィケーションは決して論理的なものではなく、「なんとなく」や久保田氏もブログで言うように行動経済学的な不合理性に呼応するものです。
もう1つは、消費行動モデルのAIDMAやAISASの先として「SIPS」が提唱されたことに見られるように、「アテンションをとる」ことが難しく、かつそれだけでは意味を成さなくなってきていることです。情報過多のこの時代、ユーザーは瞬間的・表層的にしか情報に触れないため、ちょっとアテンションをとってもすぐに離れていってしまいますし、新しい情報に上書きされてすぐに印象が薄くなってしまいます。だから、コミット度合いを「もう一歩」進めてもらうための手法としたゲーミフィケーションが有効なのでしょう。
もちろん、あらゆるサイトやサービスでゲーミフィケーションが進められてしまうと、面倒でうっとうしくなってしまいますが、「真面目な情報提供」「メッセージを伝える」「(よくわからないけど)インタラクティブに」ではなく、勘所を押さえてゲーミフィケーションの手法を導入できるといいですね。ただ、こればかりは社内だけでなく、企画のうまいコミュニケーションプランナーさんにうまく入ってもらわないと陳腐なものになってしまいそうですが。
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2008.09.26
2010.04.20
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
企業のウェブサイト活用やウェブマーケティングに関するメディア「Web担当者Forum」(http://web-tan.forum.impressrd.jp/)を運営しています。