就職が厳しい理由は、企業の人件費の支払い余力の乏しさであり、その原因は、業績の低迷と人件費の高止まりである。そうなった責任は、どこにあるのかを考えてみたい。
もう一つは、幹部・管理職に限った労働規制の緩和である。幹部・管理職とはいっても、若手と同じように労働法に守られており、解雇はもちろん、不利益な変更さえほぼできない状況にある。人件費が高止まりするのは当然のことだ。これまで、ベアの廃止、昇給・賞与の水準下げ、諸手当の改廃、昇格年限の長期化、残業規制といった方法で人件費を抑えてきたわけだが、本当に重い人件費はたいていの企業において、機能しない幹部・管理職の給与である。ところが、そこに手を付けたくとも、現行の労働法の壁は厚く、彼らは守られたままになっている。職責や勤続年数を条件にこの規制を緩和し、これによって彼らが受ける不利益に対して、セーフティネットとして税金を投入すればよい。そうすれば企業に人件費の支払い余力が生まれ、就職難は大きく改善されるはずである。
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就職活動
2013.05.15
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2009.10.02
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。