営業にとって案件をクロージングして、しっかり収益を上げる筋道をつけることは至上課題だ。いくら商談が好感触であってもクロージングができないのでは、全く無駄な努力であるとも言える。しかし、クロージング力不足を嘆く担当者は多い。巷にクロージング術を伝授する「営業スキル本」も多いが、そもそもスキル以前である場合も少なくないようだ。
標題の「クロージングができません!」は筆者の後輩の言葉だ。「売ってなんぼ」の営業の世界において、「売れない営業には価値がない」という立場で辛い目を見ているようだ。そして、「自分にはクロージングのスキルがない」と嘆く。
確かに彼は押しが弱いところがあったり、相手の立場になりすぎたりする傾向があり、少々のんびり・ホンワカ系だ。だが、それとても、営業としてのキャラクターとなりえるはずだ。優秀な営業=辣腕というステロタイプがいいわけではない。
彼が担当しているのはB to Bの商材であるが、B to Bの世界では、モノやサービス、あるいはソリューションを企業の担当者が購入意志決定するのは、一般消費者よりも遙かに合理的かつ計画的だ。「何となく」「気分で」の購入などほとんどあり得ない。
購入契約をもらえるのは、こちらから提示した条件がよいだけでなく、先方の企業内での条件が整っていることが必須となる。その条件が整っていない先にいくら営業をかけ続けても、クロージングできる確率は低い。もしくは、ひどく時間がかかる。
条件が整っていない先でも、熱心に営業をかければ歓迎してくれる企業も多い。今すぐ購入しなくとも、情報収集ができるからだ。うまくすれば、競合の動きがつかめるかもしれない。将来的に大きな取引を見込んで腰を据えて、そうした先に足げく通うのも悪くはないが、効率を求められるなら、ほどほどにした方がいいだろう。見極めが肝心だ。
見極め。それこそが、冒頭の彼に欠けているスキルなのだ。
いかにして営業先の「見込み度」を見極めるのか。それは、様々な観点があるが、一番簡単なポイントを今回は記そう。
いわゆるITソリューションのセミナーやカンファレンスに出席すると、おきまりのアンケートを書かされる。その中には、ITだけでなく、多くのB to Bの商材でも見込み度判定に使える項目がある。
・あなたはこのソリューションを導入する場合にどのような立場になりますか?
これは、購入意志決定者なのか、意志決定者に上申するポジションにいるのか、もしくは単なる担当者の情報
収集レベルなのかを判定する項目だ。最後の情報収集レベルであれば、見込み度は低い。少なくとも何らか、
意志決定者の関与があることが重要だ。
・このソリューションを導入するとしたら、いつぐらいの時期を想定していますか?
この項目は、期間が短ければ見つけモノであるが、少なくとも、何らかの期間設定がなされているのかを把握し
ようとする項目だ。期間設定がなされていなければ追いかける労力ばかりがかかる。また、その期間によって優
先順位が異なる。
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2007.10.30
2007.12.01
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。