「森を見ることで、木が見えにくくなる」ことに気づかない社内評論家に気をつけよう。
顧客が会社や商品のファンになる、逆に文句やクレームをつけるのは、全体傾向とどのような関係にあるか。従業員が組織へのロイヤリティの高める、逆にやる気をなくしたり辞めたりするのは、全体がどうならそのようになりやすいか。それが、雰囲気の話でなく、論理的に明確になっているなら全体の傾向に関心を持つことは有意義なことです。しかしながら、そんな会社はほぼないと言っていいでしょう。
そういう関連も曖昧なままに全体を何となく眺めているから、例えば人事管理では、退社の意向を打ち明けらたり、メンタルヘルス不全が発覚したりするのが「唐突」で「急」なことに感じられるのだと思います。何となく分ったような気にはなるが、実際には「木を見ず、森をぼーっと見ているだけ」「森を見ることで、木が見えにくくなる」ような調査はやめて、木の一本一本と丁寧に付き合う。それが、調査会社や評論家や学者やコンサルタントではなく、コトの最中にある当事者らしい行動なのであります。
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2010.03.20
2015.12.13
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。