人の成長過程を加藤清史郎センセイの法則と、野村克也カントクの名言から考えてみる。
以上のことをふまえ、「無視・賞賛・非難」という3つの段階で試されることを図にするとこうなるでしょうか。
さて、さらに発展して考えると、歴史上の偉人たちはもうひとつ4段階目のプロセスを経ているように思えます。つまり、下図に示したように、さらなる困難や妨害といった強力な下向きの力を受けながらも、しかし、同時に、それを凌駕する上向きの力を得ながら高みに上がっていく、それが偉大な人の生き様です。
で、このとき受ける上向きの力は、2段階目のときの「持ち上げ」とはまったく異なり、これは共感や同志という名の堅固なエネルギーの力です。偉大な仕事には、必ずそれを支える偉大な共感者や同志の力があったはずです。
私は4段階目にあって大きなことを成し遂げようとする人の姿を広野に一本立つ大樹のイメージでとらえます。その大樹は、高く立っているがゆえに、枝葉を大きく広げているがゆえに風の抵抗をいっそう強く受ける。しかしその大樹は、人びとの目印となり、勇気づけとなり、暑い夏の日には広い木陰を与え、冷たい冬の雨の日には雨をしのぐ場所を与えてくれる。そしていつごろからか、そこにつながる蹊(こみち)もできる。春や秋には、樹の下で唄や踊りもはじまる。
そして、清史郎先生が樹を見上げてたたずみ、ひと言―――「いや、あなたは、よくぞ“ちやほやの法則”を乗り越えて、ここまで来ましたな(敬礼)」。
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2009.10.27
2008.09.26
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。