学歴「だけ」がすべてじゃない。

2011.02.26

ライフ・ソーシャル

学歴「だけ」がすべてじゃない。

寺西 隆行
(株)Z会

本日25日、国公立大学の前期日程試験が一斉に行われました。 この機会に「学歴」そして「学歴社会」について、考えるための話題を提供します。

ハッキリ申し上げます。
学歴を持ち合わせた人が、持ち合わせていない人より、社会的地位や経済的に優位に立ちやすい立場にあるのは当然です。
資格と同じ。TOEIC900点超の人が評価されるのと何が変わるんですか?ってことです。

この事実を直視せず、ひがみが根本にある学歴批判はナンセンスです。
批判するにしても、学歴がある、ということは一つの評価軸になる、という現実を認めてから、その評価が過大になることはよくない、という流れを作らないと、正当性はありません。

そして、上述の通り、日本は学歴の評価が諸外国に比べて過大に評価されているわけではない、というのが現実だという認識でいます。

一方、大学、高校という種別ではなく、大学のブランドによる偏重…早い話、東大が過大に評価される、という意味での学歴偏重をもってして、学歴社会かどうかを述べる方法があります。
何を持って偏重とするか、は、明確なものとしてはやはり収入となるでしょう。
これはなかなか調べにくいかと思いますし、母集団のピックアップによって変わる部分もあるかと思いますが、東洋経済が2009年11月に発表したランキングはこちらです。
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/84be92423a83e919216c32430439cf98
皆さんが想像する「学歴社会」とは程遠いデータかと思います。

こうしていろいろ、日本社会における「学歴」について、過去もいろいろと眺めたことがありますが、経験上得た肌感覚をあわせても、日本は学歴社会ではない、と感じます。
しかし、日本社会の問題として、学歴偏重が現象としてないか、というと、あるんです。
それは、18歳までの教育機会の提供過程において、学歴のみにターゲットをあて、それを目指そうとさせる社会風潮や保護者の認識です。

換言すると、学歴が社会において相対有利に働きにくいにも関わらず、社会に出る前の教育で学歴だけが重視される風潮があり、そこに乖離があるのが問題ではないか、ということですね。

ここには、保護者の意識、民間教育企業、大学、高校…すべてに問題があると思っています。
とくに僕自身、民間教育企業のなかのひとですから、学歴偏重を「煽る」レベルまでの行動は極力してはいけない、けれど結果として「煽り」現象が起きていることは、一個人として好ましくない、申し訳ない、と思っています。
#この問題認識と、自分がとっている解決法は、後日書きます。

次のページ学歴も大事だよね、でもそれだけじゃないよね、人間の評価...

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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