Z会といえば大学受験のための通信教育の老舗。東大・京大合格者のうち、実に毎年そのほぼ半数がZ会出身者と、日本のトップ大学に関して驚異的な合格者占有率を誇る。圧倒的な実績を持つ通信添削システムは一体、どのようにして開発されたのだろうか。そしてなぜ、長年にわたって東大合格者の約半数もがZ会ユーザーなのだろう。同社四代目社長・加藤文夫様にZ会の秘密を教えていただいた。『インタビュー&構成 by竹林篤実』
Z会が採った差別化戦略とは、内容での徹底した差別化だ。すなわち吟味を重ねて良問を作り、子どもたちが返してきた答案に懇切丁寧な添削を尽くす。コストはこの問題作成と添削指導に重点配分する。
「となると余分な経費は可能な限りカットしなければなりません。集客のために大がかりな広告を打つことなどはそもそもできなかったわけです」。
そこでZ会が採ったのがピンポイントでの集客戦術である。マスを相手としたマーケティングではなく、学力トップ層のみをマーケットとしてセグメント化する。具体的には各都道府県単位でみれば必ず一,二校ある進学校をターゲットとする。個人情報の扱いにまだまだ大らかだった時代背景も味方し、当時はそうした学校の生徒名簿がごく普通に手に入ったのだ。そこで進学校の生徒たちに対してDMでの勧誘を行なう。極めて効率的な集客作戦である。
しかもこの集客作戦は無駄がないという意味では、実に一石二鳥の効果を秘めていた。つまり進学校の生徒しか勧誘しないのだから集客時点ですでにフィルタリングがかかることになる。入会時点ですでに優秀な生徒をさらにZ会がサポートするのだから学力が伸びることは想像に難くない。だから成果が出る。その結果東大合格者に占めるZ会出身者は急激に増えていき、全盛期には合格者の三分の二を占めるまでに至った。
ターゲットを絞り込む集中戦略はZ会に神話的なブランドイメージをもたらしもした。すなわちZ会は誰でもが知っている通信教育ではなく、東大合格者だけが知っている通信教育となったのだ。まさに知る人ぞ知る、いつしか「東大へ行くならZ会」というブランド神話が自然に形成されていった。では、Z会のコアコンピタンスである添削は、他社とどこが違うのだろうか。
(第二回 限られたお客様に最高のサービスを/全四回 - 次回に続く )
第一回「教えたい思いが生んだ添削システム」
http://www.insightnow.jp/article/585
第三回「一期一会の精神で子どもたちと接する」
http://www.insightnow.jp/article/663
第四回「教えたいがZ会のテーマ、これまでも、いつまでも」
http://www.insightnow.jp/article/681
※期間限定、Z会が作成した難関大対策の問題をプレゼント中!(高2生対象)
http://www.zkai.co.jp/high/ad/trial/
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FMO第1弾【株式会社Z会】
2007.10.31
2007.10.24
2007.10.17
2007.10.10