上司がプレイヤーを脱しきれない原因の一つに、若手の仕事へのスタンスが変わったことがあるのかもしれない。
昔は、暴走する部下をたしなめる上司だったのが、今は逆で、暴走上司とたしなめ部下。部下から見れば、何を焦って見込みの薄いことをやろうとしているのかと、その指示や提案はまさに暴走に感じるでしょうが、上司から見れば、やりもせずに理屈ばっかりこねやがって偉そうに・・・となります。部下は、別に偉そうにたしなめている気はなくて、それが確実に成功するわけではないので、もっとちゃんと考えてやりましょうよと言っているだけなのですが、どんな理論やフレームや成功事例を学んでもやってみないと分からない、という当たり前のことを全然理解していないことに気づいていません。
マネジメントの力の衰えか、ルール第一の組織運営が悪いのか・・・、上司側にも色々とその責任はあると思いますが、年寄り臭い若者が増えたのも事実。「たしなめ部下」達が組織の勢いを削ぎ、周囲も上司も手を焼き、彼ら自身だって挑戦しないので失敗も成功も経験しにくく、経験できないのでせっかく勉強したことも実践的に身についていかないことに気づかない。上司がマネジメントではなくて、現場で実務をやりたくなる、「理屈こねてるんやったら、もういいから俺がやるよ」という気持ちになるのも分かるような気がします。プレイヤーを脱しきれない上司が多い原因の一つは、上司のような部下、評論家のような部下が増えていることかもしれません。
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2010.03.20
2015.12.13
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。