「マーケティング3.0」考-5

2011.01.08

営業・マーケティング

「マーケティング3.0」考-5

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これは、昨年(2010年)後半、メルマガ『スーパー広報術』に連載した記事を統合・一部リライトしたものです。なお、原書に基づいて執筆したため、翻訳版とは日本語の表現が若干異なっています。

●感謝される企業

例えば、池などからくんできた汚れた水でも、特殊な粉末を入れてかき混ぜる
だけでたちまち浄化でき、漉しとればおいしい水が飲めるようになる製品を
開発・販売している日本企業があります。

こうした製品は、非常時用だけでなく、水道が普及していない発展途上国で
使ってもらえるようにすれば、おいしい水が飲めるようになった現地の人に
とっては、「ありがたい」という言葉しか出てこないでしょう。

あるいは、数千円台で購入できるパソコンが最近開発されています。こんな
パソコンは、従来は高価すぎて利用不可能だった途上国の子どもたちに使って
もらうことで、識字率を低下させ、学力向上に役立てることができます。
子どもたちもまた、パソコンメーカーに対しては、単に満足するのではなく、
大いに感謝してくれることでしょう。

この連載記事では、過去半年ほど「Marketing3.0」の考え方をご紹介して
きましたが、結局のところ、これからの企業が目指すべき方向性、それは、
「感謝される企業を目指す」ということではないかと思っているのです。

「感謝される企業」を目指すことは、企業の私利・私欲を追わないということ
です。また、顧客のせつな的な欲求を充足することでもありません。むしろ、
「本当の意味での幸せ」を実現することに貢献することだと考えています。

「本当の意味での幸せ」は定義が難しいですが、あえて言い切ってしまうと、
自分ひとりがいい思いをすればいいのではなく、社会全体、また地球の
あらゆる生物を含めた全体が調和し、皆が活き活きとした「生」を謳歌できる
ことだろうと思います。

キレイゴトに聞こえますか?しかし、こんなキレイゴトに真剣に取り組む
企業しか、これからは生き残れないと私は確信しています。

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松尾 順

松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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