これは、昨年(2010年)後半、メルマガ『スーパー広報術』に連載した記事を統合・一部リライトしたものです。なお、原書に基づいて執筆したため、翻訳版とは日本語の表現が若干異なっています。
ただ、グローバル化は、同時にいくつかの矛盾というか「パラドックス」を生み出しています。ひとつは、グローバル化は誰にも平等の恩恵をもたらしたわけではないということです。低賃金労働問題のような形での所得格差を大きくすることにもつながっているのです。グローバル化によって生まれた様々な問題に対する懸念が高まっているのです。
また、グローバル化によって、ファーストフードに代表される、画一的な商品・サービスが世界の都市を席巻することで文化が世界的に均質化する傾向がある一方で、その反動としてのローカルな文化、伝統を守ろうとする動きが強まっています。つまり、人々は以前よりもますます自分たちの文化・伝統に対する関心を高めているのです。
こうしたグローバル化の矛盾によって、やはりビジネス、マーケティングは、個人のニーズだけを考えるのではなく、社会・世界全体レベルでの視野を持たなければならなくなっています。
・創造的社会の時代
最後の「創造的社会の時代」ですが、お金で買えないものに価値を見出す、また精神的なものを大切にしたいとする人々が世界的に増加しているという意味です。彼らの多くは創造性が要求される専門的な職業に従事していることから「クリエイティブ・クラス(階級)」と近年呼ばれるようになっています。
創造的社会では、ただ便利とか安いというだけでは商品は選択されません。デザインの美しさなどの情緒的価値の高さに加えて、人々の奥深くにある魂を揺り動かすことのできるような価値をも提供しなければならないのです。(これは、必ずしも、いわゆるスピリチュアル、宗教的な意味ではありません)
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「Marketing3.0」考
2011.01.08
2011.01.08
2011.01.08
2011.01.08
2011.01.08
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。