1999年男女雇用機会均等法が改正され、セクハラを行った場合加害者ばかりでなく企業にその防止義務が課せられました。米国では2004年の大手証券会社に対する多大な損害賠償が有名ですが、日本でも証券会社や鉄鋼会社が訴えられています。
2つめは加害者がそれに気がついていない「うかつ」の領域です。なんとなくほめたつもりで「女にしておくのがもったいない」などと発言したことが被害者からみればセクハラと感じている場合があるのです。
懇親会の場だから多少の卑猥な発言もいいだろうなどというちょっとした気のゆるみが問題を招く可能性もあるのです。基本的には仕事関係では性的な話題は必要ないと思っておいた方が無難かもしれません。
3つめは加害者は意図的にしていてもそれを被害者が感じていない「無防備」の領域です。これを放置しておくと職場環境は知らず知らず悪化していきます。
例えば、職場で女性がセクシーな服装やしぐさや話し方をする行為。男性からみれば挑発されていると思っても仕方がない服装でも当の本人がまったく意識がない場合です。上司としてはそんな服装を注意するものなら反ってセクハラと思われはしないかと及び腰になりますが、この場合はしっかりと職場にふさわしくない服装であり、話し方であることを本人にわからせる必要があります。
その場合、それをいう上司自身が職場にふさわしい服装や身だしなみをしている必要があります。華美すぎてもダメ、かといって地味でダサすぎる服装もダメ。「時代遅れじゃない? そんなダサい人に言われたくな~い」などと内心舌をだしていることもありえるのです。
4つめは加害者も被害者も自覚がない場合です。これを「なれあい」の領域といいます。先ほどの以前の会社の部長とベテラン女性(私も含め)の例はまさにこのなれあいです。結局、こういった状況も男性達に「うちの会社は猥談は問題ない」、「女性達は多少のセクハラも平気だ」などとと思わせてしまうわけですから、将来的にセクハラ問題に発展していく可能性は大きいのです。
そして、セクハラ相談窓口に多い例として社内恋愛の後始末です。恋愛が盛り上がっているうちはお互い秘密に付き合っているのでいいのですが、別れ問題に発展したときがセクハラを招きやすいのです。別れるといわれた方が嫌がらせをしたり、転勤を命じられたり・・・・・・。
ちょっとしたけじめのない話し方で不倫関係にあるのでは・・・・・と噂になり、会社にいずらくなっていくケースもあるようです。ほとんどが言動に上司部下のけじめがないというのが原因です。
セクハラ問題といえば、加害者は男性、被害者は女性と捉えがちです。それは一般的に女性が弱い立場におかれているということから起きている問題だからです。パワーを持っている側が優位性をもってハラスメントを行っている。とりもなおさずセクハラとはパワハラであるということです。
ただし、最近では相談窓口へ男性からの問い合わせも増えてきているようです。女性上司からセクハラを受けているという相談です。いやはや、男性女性関係なく、パワーをもった時点で相手にハラスメントを行っていないか絶えず自分の言動をチェックすることが解決策となるのでしょうね。
そういえば、私。
最近取引先やアルバイトの学生に「あなた、イケメンね」などということが多くなってきたような気がします。気をつけなくっちゃ。。。
参考文献)
「上司殿!それは、パワハラです」岡田康子著(日本経済新聞社)
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2007.10.20
2007.11.09
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役
「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。