サイボウズ社長:青野慶久氏執筆の書籍『ちょいデキ!』(文藝春秋)をご紹介します。 新入社員から2、3年目頃までに読むと、ビジネスに対する前向きな気持ちが自然に生まれてくるのではないでしょうか。
『ちょいデキ!』は1997年に起業し、今ではもう東証一部上場企業となったサイボウズの社長:青野慶久氏が執筆したものです。
社長の本!と言っても、お堅い本ではありません。
自称「フツウの人」の青野氏らしく、フツーの文章で、「ちょっとできるビジネスパーソンの道」を指南してくれています。
読みやすさを生んでいるのは、Q&A形式になっている小見出しにあります。
Q.大きな目標を立てていませんか?
Q.つくり笑顔ができますか?
Q.風邪をひくのが当たり前と思っていませんか?
…と、いくつも読者に「ギクッ」とする問いかけをして、それに青野社長流の考えを提示する、この流れがシンプルで、とても読みやすいものになっています。
ここでは、僕が読んで「そうそう!」と感じたものを紹介します。
Q.準備を頑張っていませんか?
プレゼンテーションの資料作りに忙殺するほどもったいないことはない、ということです。
資料の多さは、説得力の強さに比例するわけではありません。
(…といって、資料作りの手を抜くのもまずいですけれど)
あくまでも目的は「自分の主張を聞き届けてもらうこと」。
ここを忘れた資料作りをしないようにしたいものです。
また、管理職の方であれば、大局に影響しないような細かな数値が「書かれていない」ことを、揚げ足をとるように指摘してはいけません。
部下をますます「細かな資料作り」に精を出させることに追いやり、会社の生産性を低下させることは間違いありませんから。
Q.仕事とプライベートを無理に分けていませんか?
オンとオフの時間をハッキリ分けるのができるサラリーマンだといわれるようだけど、私にはそうは思えないーというのが、青野氏の主張です。
「プライベートを侵害されたくないと無理に仕事を離れる人や、仕事をとことんやるがためにプライベートをできるだけ排除しようとする人は、余りいきいきとしているように見えない」
書から引用したこの文は、僕も同じように感じています。
仕事が楽しければ、プライベートのときと同じような感覚になります。
この感覚は「仕事中毒の人間」が感じる感覚とは似て非なるもの。
僕の教育のお仕事でたとえるならば…
若い人から学習相談を受ける、という状態そのものは「仕事」です。
その相談にどんどん入り込み、良い回答が与えられ、相談者から「ありがとうございました!」と元気の良い言葉をいただけたときは、心はすでに「プライベート」。
切り分けなんてないですよね。
次のページQ.悪口に対抗していませんか?
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2007.10.16
2007.10.21