2010.11.25
やってみよう!シナリオ設計
長尾 和彦
blanklabo コミュニケーションプランナー
個々の活動を繋いでいくこと、マーケティングコミュニケーションにおけるシナリオ設計について書いてみました。
前回トリプルメディアがフレームワークの一つであり、やるべきことは、トリプルメディアについて語ることではなく、自社の活動をフレームワークに落とし込むことですよね、といった記事を投稿させていただきました。
では次に行うことは何か?それは各メディアに落とし込んだ自分達の個々の活動を繋いでいくこと、マーケティングコミュニケーションにおけるシナリオ設計になります。
このシナリオ設計には、AIDMAなど消費者の行動プロセスのフレームワークを用います。少し前にAIDMAではなくAISASじゃないの?といった議論や、最近ではソーシャルメディアの浸透により、消費者の行動プロセスは変化してきていておりどっちももう古いなんて言葉もよく耳にしますが、私はまだまだ現役で利用に耐えると思います。
詳しい理由については別の機会にしますが、AISASにおける「S(Share:共有)」を行動プロセスに入れてしまうと、消費者の定義がブレてしまうので、初期段階でのシナリオ設計には向かない。またソーシャルメディアの議論でよく指摘される「S (Sympathy:共感) 」は「プロセス(過程 )」ではなくて「プロトコル(言語)」である。というのが私の考えです。
話を戻して、具体的なシナリオ設計について説明します。
あなたの目の前に左から順番に「A」「I」「D」「M」「A」の5つのエリアがあり各エリアの間には仕切る板があります。
まず最初に、各エリアの中に前回説明したフレームワーク「トリプルメディア」で分類した各施策を入れていきます。
次に各々のエリアに置かれた施策を目的毎に右のエリアに置かれた施策と繋げていきます。
繋げる際には、希望的観測に基づいて漫然と繋げるのではなく、繋げる目的とそのために行っている内容、およびその効果を測定する方法など根拠となる事を定義していきます。
この段階でどこにも繋がらない、もしくは効果測定が曖昧なものがでてきた場合、その施策自体を廃止を含めて見直す必要があります。(なんか事業仕分けみたいですが・・)
「INSIGHT NOW!に記事を書いている私」を例に説明するとこんな感じ。
まず目的を「クライアントの獲得」もう少し具体的にいうと「企画・プランニング案件の獲得」とします。
次に施策の振り分けですが、「INSIGHT NOW!で記事を書く」を「I:Interest(興味、関心)」 におきます。
次の「D:Desire(欲求)」には「SEO(検索エンジン最適化)」を置き、その横の「M:Memory(記憶) 」に「自社サイトのコンテンツ充実」、「A:Action(行動)」に「リアルな場所での商談」を置きます。
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長尾 和彦
blanklabo コミュニケーションプランナー
1997年より映像制作を中心に活動。2001年より活動の領域をWEBに移し、東名阪に拠点を持つ制作会社にて10年間勤務。執行役員 兼 営業企画部長として様々なクライアントのウェブ戦略の企画立案やサイト構築・運用に携わる。2010年独立。2013年~株式会社五箱取締役。書籍「ネットショップ 開店・運営バイブル(技術評論社)」執筆協力。「Webサイト構築・運用のコストと効果がバッチリわかる(技術評論社)」共著。猫より猫背で有名。