仕事・キャリアにおいて「先が読めないから行動できない」というのは言い訳です。まずは行動してみないから、先が見えてこないだけの話です。7割読めたらサイを投げよ!
◆ゼロをイチにさえすれば、やがて百にも千にもなる
勇気と夢・志を持って自分試しを敢行した人たちの経験によると、「十二達」の丘に到達したとき、過去のことがすべて必然性を持ってつながってくるといいます。過去に何気ないところで得ていた技術や知識、人脈、そして雑多な経験や失敗などが、あたかも今抱いている夢・志のためにあったのかと思えるのです。
先が読めないから行動できない、というのは言い訳です。まずは行動してみないから、先が見えてこないだけの話です。
ヒルティは『幸福論』で次のように書いています。
「まず何よりも肝心なのは、思い切ってやり始めることである。
仕事の机にすわって、心を仕事に向けるという決心が、
結局一番むずかしいことなのだ。
一度ペンをとって最初の一線を引くか、あるいは鍬を握って一打ちするかすれば、
それでもう事柄はずっと容易になっているのである。
・・・だから、大切なのは、事をのばさないこと」。
同様に、ノーベル化学賞受賞の福井謙一博士は、『哲学の創造』の中で、まったく新しい学問というのは、論理によらない直観的選択から始まる場合が多い。だから着想を持ったら、ともかく荒っぽくてもいいから実験を始めること。そうすれば試行錯誤の中で正しい結論が裏付けられていくと語っています。
何かの状況を前に、グズグズ、ウジウジ躊躇して、「ああなったらどうしよう、こうなったらどうしよう」と悩んでいる状態は気持ちが悪い。どうせ悩むのであれば、何か事を行って、その展開の上でどうしようかと悩むほうが、悩みがいもあるし、第一気持ちがすっきりする―――そう思いませんか。
本田宗一郎は――― 「やりもせんに」と言いました。
鳥井信治郎は――― 「やってみなはれ」と言いました。
そして、ナイキのブランドメッセージは――― 「Just Do It !」。
サイを投げよ! すると先が見えてくる。腹が固まってくる。
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2009.10.27
2008.09.26
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。