初めまして、株式会社 戦略調達 中ノ森と申します。 社名に「戦略」を入れていることから「果たして、戦略的に調達・購買業務を行うこととはどういうことか」、また、経営者として、「戦略とは何か?」ということは常に自問自答しています。 とはいえ、私は研究者ではないので、こうして走りながら考えることによって得た「戦略的」「戦略とは何か?」という事に対する現在の自分なりの考えをご参考までご紹介します。
初めまして、株式会社 戦略調達 中ノ森と申します。弊社は、名前の通り、企業の調達・購買業務を「戦略的」に行うための調達購買業務のアウトソーシング・代行サービス、関連システムの導入、コンサルティングを行う会社です。
社名に「戦略」を入れていることから「果たして、戦略的に調達・購買業務を行うこととはどういうことか」、また、経営者として、「戦略とは何か?」ということは常に自問自答しています。とはいえ、私は研究者ではないので、こうして走りながら考えることによって得た「戦略的」「戦略とは何か?」という事に対する現在の自分なりの考えをご参考までご紹介します。
まず、戦略の由来が戦争用語というのはその通りです。英語の戦略"strategy"の語源はギリシャ語の"stratēgos"で、「軍隊」という意味の"stratos "と「率いる」という意味の "agos"の造語です。ただ、質問でご紹介されている「勝つための作戦」の「勝つため」と「作戦」という言葉に違和感を覚える部分があります。軍事戦略論の大家クラウゼヴィッツは軍事戦略を「戦争の目的を達成するために戦闘を組み合わせる活動」と述べています。私も、「勝つための作戦」よりクラウゼヴィッツの戦略の定義の方がしっくりきます。弊社が扱う戦略は、軍事ではなく、企業戦略に関わるものですので、「目的の達成のために、資源や施策・戦術を統合する指針」と定義しています。
まず、「勝つため」についての違和感ですが、孫子は百度戦闘して百度勝利を収めるのは最善の方策ではなく、戦わずに敵の軍事力を屈服させることこそ最善の方策と述べています。戦争の目的の多くは、その土地の取得や土地に眠る資源の確保を狙ったものが多いのですが、戦争は、兵士だけでなく、その土地に住む人民に多くの死傷者を生むと共に、その領地にも今後生活していく上での生活インフラや経済基盤などに甚大な被害をもたらします。相手に勝っても、戦争の目的を達成できないのでは、戦に負けたのと同じことです。孫子はこれを戒めるべく、戦わずして勝つのが最善の方策と述べています。
企業戦略にも、孫子の指摘は当てはまります。たとえば、お互いに似たような製品・サービスで同じマーケットを攻めていれば、すぐに価格競争に陥り、売上があがっても、収益が全然上がらない、収益が上がらなければ、製品・サービスの再投資もままならず、それらの質も落ち、マーケットが疲弊してしまい、お客様が離れていってしまう。これも良くあることです。
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2010.08.25
2010.08.31
株式会社 戦略調達 代表取締役社長
コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます