改革は地方から。ここ数年目立つのが、元気で、はっきりとものを言う知事たちだ。言行一致で改革を進めるその活躍ぶりは、日本の将来に明るさを感じさせてくれる。地方自治の要、都道府県政を指揮する知事は、企業にたとえるなら経営者である。さまざまな抵抗を打ち砕きながら、改革を遂行する考え方、行動力はマネジメントの良き手本となるだろう。知事の改革を紹介するシリーズ、今回は、佐賀で改革を断行する古川知事である。
【Insight's Insight】
佐賀県といわれて、その場所をすぐに頭の中に思い浮かべられる人が、どれぐらいいるだろうか。東京、大阪に比べれば、地味であることは否めない。人口も全県でわずかに85万人に過ぎない。企業にたとえるなら、まさに中小企業である。
しかし、その佐賀に、全国自治体から視察団が集まってくる。取り組みがユニークかつ着実に実績を挙げているからだ。そもそも県庁レベルの組織で本部制を取り、権限移譲を進める。同じことを仮に東京都庁や大阪府庁でやれるだろうか。
組織は巨大化するほど、その自己防衛本能も肥大化する。佐賀が数々の改革を断行し、確実に成果を叩き出しているのは、いろいろな意味でのコンパクトさが貢献しているからだろう。まさに『スモール・イズ・ストロング』になり得る好例を、古川知事は見せてくれる。
小さいからこそ、渦に巻き込まれる前に自ら渦を巻き起こしてしまう。そのために、必要な発想のしなやかさと行動の強靱さ。これを佐賀の事例から学ばなければならない。
◇インタビュー:竹林篤実/坂口健治 ◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:安住 羊助 ◇撮影協力:アンジュウ写真館
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佐賀県知事・古川康氏
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