マーケティングというのは、原則として顧客(市場)に対する仕掛けを意味する。しかし、会社の外に対するメッセージ、仕掛けに集中するあまり、社内への浸透と徹底におろそかになっている企業があまりにも多い。
弊社で、「本質的な経営理念やビジョン・戦略の現場への浸透」についてアンケート調査を行ったところ、次のような結果となった。(n=734)
20%近い人が、「興味がなく取り組む予定もない」と答えたことも驚くが、成果があらわれていると答えた人も20%しかいない。
経営、マーケティングや経営企画に「成果が出ている」という答えが多いのは納得できるが、現場で働く営業・販売部門における評価は低い。そして「危機感を感じている」「必要性はわかるが方策が分からない」層も約25%存在している。
この結果を見ると明らかなように、問題なのは、まず社内への浸透を課題だと認識していないことがひとつ。そして、危機感、必要性を感じていながらも対応していなかったり、一応取り組んではいるものの成果がないとする人たちが約60%も存在するということだ。
さらに、この「本質的な経営理念やビジョン・戦略の現場への浸透」への答えと他の戦略面での関連を見た。
すると、「功を奏してきた。今後さらに力を入れたい」と答えた人は、他の戦略面でも大きく成果を生んでいると答えている。
特に、「自社Webサイトを活用した顧客との関係構築」「顧客の会員化や組織化、データベース化による囲い込み戦略」といった、顧客面への対応に成果を生んでいることがわかる。
マーケティング活動には、顧客へ向けた発信に加え、顧客ニーズの吸い上げ、理解、共感といったインバウンド的な要素も含まれる。
当然、効果的な発信を行おうとするならば、効果的なインバウンドも必要となる。インバウンドを得るには、やはり社内スタッフの手を借りることも必要となり、必然的に社内でもコミュニケーションも活性化するのかもしれない。
いずれにしても、顧客との関係構築は、まず社内での関係構築から。この傾向は今後さらに強まるに違いない。
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