必読!『よくわからない肩書き』に唖然としたことある皆さんへ。

2010.03.30

組織・人材

必読!『よくわからない肩書き』に唖然としたことある皆さんへ。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

人事異動のシーズンである。桜前線が北上するより早く『肩書き』にまつわる悲喜こもごもが列島を駆け巡っているはずだ。

1、微妙なヒエラルキー創造型


名刺を受け取る側からするとどうでも良いのだが、当の社内では「課長心得」か「課長」では、天と地の差がある。そういう会社では「あの課の課長より、こちらの課長のほうが少し上」とか「あの部長代理は、ほとんどこっちの部長と同格」といった多重階層を読み解く会話が日常的になされる。そうした微妙なヒエラルキー構造は、意志決定を遅らせ、若い人達の上に、幾人もの複雑な関係の上司の壁を築くことになる。


2、自慰・自称型


「エバンジェリスト」である。元々は、宗教における“伝道師”の意味で、アップル社のパソコン『マッキントッシュ』のエバンジェリストであるガイ・カワサキ氏を通して有名になった概念。「自社の製品の直接的な効用や、それによってもたらされる市場性・経済効果・生活の変化などを、わかりやすく啓蒙する職種」らしい・・・。名乗ったもの勝ちである。自称である。「他者」がそうだと認める前に、自分で言っちゃった『肩書き』がそのまま流通していくパターン。社内に微妙なヒエラルキーを作るぐらいなら、最初から「自称・肩書き」ばかりを作って風通しを良く見せておいた方が得策。この傾向は、ベンチャー企業に多い。

しかしどっちにしろ・・・意味のわからない『肩書き』の多い会社が永続的な利益を生み出していく優良企業になっていくとは到底思えない。何故なら、『肩書き』が増えると言うことは、権限が分配されること。それは、結局、責任も分散することになる。自社都合のヒエラルキーを名刺に乗っけたり、聞いても意味のわからない自称肩書きを名乗ったりするのは、私達は、実は、無責任なんですよって言って回っているようなものだ。

ちなみに、鳩山首相率いる民主党執行部は、
代表(1名)
筆頭代表代行(1名)
次席代表代行(1名)
代表代行(3名)
代表代行補佐(5名)
筆頭副代表(1名)
次席副代表(1名)
副代表(3名)
筆頭副代表代行(1名)
次席副代表代行(1名)
副代表代行(3名)
副代表代行補佐(5名)
そして、副幹事長にいたっては14名も居る・・・。

うーん微妙である。ある意味縮図である。

政治家という『肩書き』に、さらに微妙なヒエラルキーを創り出す発想を根本から変えない限り、日本の再生は難しい気がする。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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