ユーザーとメーカーが協働でマス商品を企画・開発する。ありそうでなかった仕組みが『マス・コラボレーションモデル』。F1層を中心としたユーザーの感性とメーカーの技術力をネット上で融合し、モノづくりに活用する。新しいプラットフォームを目指すアゲハのモデルに迫る。
マスターゲットを狙ったコラボレーションモデルは、従来の商品開発を根底から覆すモデルとして成立する可能性を秘めている。農業革命、産業革命に匹敵するレベルで情報通信革命が起こっているとするなら、アゲハの革新性を高く評価されるべきであり、今後の成長から目を離せないだろう。
~特集インタビュー
「モノ創りの仕組を変えるアゲハのマス・コラボレーションモデル」完~
『株式会社アゲハ 関連リンク』
株式会社アゲハHP:http://www.e-orihime.com/
【Insight's Insight】
アゲハには、すでにベンチャーキャピタルが入っている。当初、公開されている情報だけでは、キャピタルに魅力を感じさせるほどのスケール感が見えてこなかった。『コラボレーションモデル』に『マス』の二文字が付いている理由も、いまいち不明だったのだ。
しかし、その実態はといえば、これが恐ろしいまでに深く考えられたモデルであることがわかる。表面上で動いているのは、オリジナルデザイン商品の提供と、そのカスタマイズを可能にするシステムだ。しかし水面下では着々とユーザーのデータベースが蓄積されていく。しかも、貯まっていくデータは一握りのイノベーター層のものではない。今の日本で最も消費意欲が旺盛でかつ可処分所得も多いF1層のボリュームゾーンのデータである。
そのデータの秘める価値がどれほどの対価に見合うものとなり得るのか。これがアゲハの成長性を占うカギである。もちろんサイトがオープンしてまだ間もなく、マンパワーを含めて抱える課題はいくらでもある。しかし自らが動いて鞄職人のネットワークを作り上げた木下社長の粘り強さ、ひたむきさをみれば、心ある人ならきっとアゲハを応援したくなるだろう。だから、すでに錚々たるメンバーが応援団に名を連ねてもいる。
この先、アゲハ(=オリヒメ)が、あるいは木下社長が、どのように美しく羽ばたいていくのか。まさに蝶の乱舞のような華やかさを期待していいのではないだろうか。
◇インタビュー:竹林篤実 清水優太 ◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:村山裕章 ◇撮影協力:ピクスタ㈱
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