月給30万以上とか、年収650~800万という求人情報に応募したものの、書類選考を経て面接後採用通知かと思いきや、「月給25万でどうでしょう」とか「年収を600万でよければ採用したい」といった条件交渉をされることがあります。給与条件におけると求職者と採用者間ギャップを考えてみましょう。
・求人スペックに合わない時
欲しい求人条件/スペックに満たない方を採用することは珍しい話ではありません。特に経験よりセンスを重視するのは、昨今のコンピテンシー重視の採用プロセスではより顕著になっています。「企業がダマしてる」のではなく、採用基準に満たないが採用するので、想定条件より下がっている、というのが一番多いと言えるでしょう。
いやいや、「派遣コーディネーター7年やって応募したのに、提示されたのは300万でしたよ」という方もいるのでしょうか?絶対無いと言えるほど強くは否定しませんが、その「7年」は、1社でですか?2社ですか?15社ですか?単に長くいただけでは「経歴」とは見なされません。採用条件に、「転職歴3社まで。当社が4社目となるのを上限」等制限している企業もあります。特に伝統企業、大企業ではそういった傾向があり、それらを実際には公開しない企業も少なくありません。
面接などを通じて採用を検討する過程で、残念ながら欲しいだけの求人スペックを満たしていないと判断されることももちろんあります。求人条件に書かれていることは、最低限の要望であって、単に同業経験や経験年数あるだけで、それが採用企業としては評価できないものであれば、結果としてスペックに満たないと判断されることは十分あります。
・正社員募集なのに契約社員での採用を提示された
「正社員募集で応募したら、契約社員を提示された」等というのは、このように採用する側の期待より評価が下回った状態です。その評価が正しいかどうかはだれも証明できないし、たかだか採用者の評価が絶対的正確さをもっているなどというつもりは一切ありません。しかし採用条件より低い給与額を提示されたり、正社員ではなく契約社員を提示されるというのは、採用者による評価の結果です。
そのような場合、提示された条件では勤める気がないなら辞退すれば良いだけです。ただ、こうした提示があるのは、「正社員としてなら採用はしない。しかし契約社員ならOK」という意味であって、それでも機会さえもらえれば、成果を出す自信があるというような方にはチャンスとなります。
「求人情報の範囲より低かった」の逆、「求人条件より50万高い年収をと提示された」例もあります。私自身がそうした条件提示を受けた経験がありますし、採用をする際、条件より高い提示をした経験があります。なぜなら「ぜひ欲しい」「他社に行って欲しくない」からです。欲しい人材えあれば、予算を上積みしても給与を高くすることは、実際にあるのです。
侮辱と思うかチャンスと思うかはご自分次第です。予定より低い給与条件を飲んで、入社後実績を出し、結果として募集時の給与条件を上回る自信があるのなら、こうした事態も十分チャンスと呼べるものでしょう。
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2016.05.24
2017.01.11
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。