様々なビジネスに活用されるアンカリング効果

2010.01.15

営業・マーケティング

様々なビジネスに活用されるアンカリング効果

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

前回、アンカリング効果の力を踏まえると、 売り手側が、価格交渉を有利に進めたければ、 「ふっかけた方が得」 ということをお話しました。

米国の不動産王、ドナルド・トランプは
以前、次のような告白をしたことがあるそうです。

“部下がやってきて、(建築見積)価格は、
 7500万ドルになりそうですという。

 そこで客には、「1億2500万ドルかかりますよ」
 と言っておいて、結局は1億ドルで建ててやる
 わけです。

 要するにずるいことをやってきたわけです。
 でも相手は、いい仕事をしてくれたと思っている。”

アンカリング効果とは、要するに
比較可能な「基準点」を示すことで、
相対的な「差」が際立って見える効果です。

ですから、価格以外にも使えます。

例えば、自分が痩せてるように
見せたければ、自分より太めの友人と
歩くとか(笑)

ただ、アンカリング効果は、
価格において最も顕著に見られることが、
行動経済学では判明しているので、
買い手側はほんと要注意です。

また、商売(売り手)としては、
倫理的な問題をクリアしつつ、
うまく活用したいところです。

(参考文献)

『プライスレス 必ず得する行動経済学の法則』
(ウィリアム・バウンドストーン著、松浦俊輔、小野木明恵訳、青土社)
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『経済は感情で動く』
(マッテオ・モッテルリーニ著、泉典子訳、紀伊國屋書店)
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『予想どおりに不合理』
(ダン・アリエリー著、熊谷淳子訳、早川書房)
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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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