前回、アンカリング効果の力を踏まえると、 売り手側が、価格交渉を有利に進めたければ、 「ふっかけた方が得」 ということをお話しました。
米国の不動産王、ドナルド・トランプは
以前、次のような告白をしたことがあるそうです。
“部下がやってきて、(建築見積)価格は、
7500万ドルになりそうですという。
そこで客には、「1億2500万ドルかかりますよ」
と言っておいて、結局は1億ドルで建ててやる
わけです。
要するにずるいことをやってきたわけです。
でも相手は、いい仕事をしてくれたと思っている。”
アンカリング効果とは、要するに
比較可能な「基準点」を示すことで、
相対的な「差」が際立って見える効果です。
ですから、価格以外にも使えます。
例えば、自分が痩せてるように
見せたければ、自分より太めの友人と
歩くとか(笑)
ただ、アンカリング効果は、
価格において最も顕著に見られることが、
行動経済学では判明しているので、
買い手側はほんと要注意です。
また、商売(売り手)としては、
倫理的な問題をクリアしつつ、
うまく活用したいところです。
(参考文献)
『プライスレス 必ず得する行動経済学の法則』
(ウィリアム・バウンドストーン著、松浦俊輔、小野木明恵訳、青土社)
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『経済は感情で動く』
(マッテオ・モッテルリーニ著、泉典子訳、紀伊國屋書店)
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『予想どおりに不合理』
(ダン・アリエリー著、熊谷淳子訳、早川書房)
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アンカリング効果
2010.01.15
2010.01.15
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。