今日は、昨年末に開催された 『AvecDAY20009 WINTER オープンハウスセミナー』 (株式会社エイベック研究所主催) において報告された、 ユーザーコミュニティ(企業運営CGM)活用事例 を簡単にご紹介しますね。
「進研ゼミ」でご存知の
株式会社ベネッセコーポレーション
では、
「任天堂DS」
に中学生を対象とした、
教科書対応の学習コンテンツを
組み込んだ新商品、
『得点力学習DS』(以下「学習DS」)
の導入に当たって、
体験モニターを募集しました。
08年1月の初版第一弾のための
初期フェーズにおけるモニター数
は100名強でした。
応募してきたモニターには、
エイベックが提供するインターネットの
コミュニティシステムに登録してもらい、
継続的なリサーチを行う仕組みを構築。
結果として、
次のような成果を上げています。
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・発売以前には収集困難な利用者のナマの声、
すなわち、「利用体験記」を数百件収集できた。
(初期フェーズでは約240件)
・また、モニター自らが語る同商品の
「推薦文(リコメンド)」も初期フェーズで
60件ほど集まった。
・モニターを対象とするリアルなグループインタビューの
の実施に当たっても、1週間程度で簡単に協力者を
集めることができた。
・上記の体験記やリコメンドをダイレクトメールを
始めとする各種広告・販促施策に組み込むことで、
説得力の高い効果的なコミュニケーションを展開できた。
・モニターの利用実態から『学習DS』を利用することによって、
従来の紙の添削教材の利用促進にもつながることが判明した。
・上記の事実のおかげで、『学習DS』導入によって従来商品が
喰われるのではないかというベネッセ社内の不安を払拭できた。
・『学習DS』を子どもだけでなく、
親も利用してみることで『学習DS』を通じた
親子の対話が増えるといった予想外の効果も発見できた。
・体験記を書いてくれたモニターには、
調査期間終了後、同商品の買い取りを奨めたところ、
約7割の方が購入してくれ、コミュニティ運用費用に
充当することができた。
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企業が運営するユーザーコミュニティ(CGM)は、
多くの場合、「費用対効果」が見えにくいため、
新たなコミュニティ構築とその継続は容易ではありません。
しかし、上記ベネッセの事例のように、
対象商品や目的を絞り込み、運営期間も限定した上で
ユーザーコミュニティを展開するのであれば、
費用対効果も示しやすく、比較的導入しやすいかと思います。
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2010.02.05
2010.02.14
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。