日記を外国語で書く。書いた日記を、その言葉を母国語とする人間が添削する。相互扶助型の語学学習SNS『Lang-8』は、日本初にして唯一のシステムだ。この1年間でユーザー数は一挙に10倍に増加。世界で1億人のユーザー獲得を目指すLang-8のビジョンと展開戦略を紹介する。
第3回「未だかつてどこにもなかった語学学習サイト」
■e-Learningとの決定的な違い
「つい最近、急激に海外からのアクセスが増えたんです。もう爆発的な勢いで過去最大のアクセスになりました」
何が起こったのかとログを調べ、たどり着いた先はCNNだった。喜社長の方から売り込んだわけでは決してなく、どこかからLang-8の存在を聞きつけたCNNが勝手に取り上げて紹介したらしい。
「おかげさまでユーザー数は順調に伸びています。サイトを正式にオープンしたのが2007年、一年後にユーザー数が1万人に達しました。それが次の1年足らずで9万人にまで増えています」
縦軸にユーザー数、横軸に年月を入れたグラフを作れば、その急成長ぶりを目に見える形で理解できるだろう。前年対比8倍以上というのはとんでもない伸び方だ。
「日本では、はてブのホットエントリーでトップになったのが大きいですね。いわゆるイノベーターといわれる人たちの間で、Lang-8の存在が知れ渡った。これをキッカケに日本での認知度も急速に高まっていきました」
Lang-8の名前を、ネット関連のさまざまなコンテストで見かけるようになるのも、ちょうどこの頃からだ。とはいえe-Learningタイプの語学学習サイトもちょうど同じ頃、まるでタイミングを合わせたように立ち上がっている。こうした競合の存在は、喜社長の目にどう映っているのだろうか。
「実は、我々と競合するサイトは一つもないと見ています。e-Learningと我々は、根本的に違うんですよ。e-Learningはあくまでも最初に正解ありきです。運営サイドにかなり深い語学ノウハウがなければ、サイト運営自体が成立しません。だから、そうは簡単に多言語展開できないでしょう。ところが我々はすでに70以上もの言語を扱っています」
いわゆるN対Nネットワークが英語に限らず、さまざまな言語間で張り巡らされつつあるのがLang-8というわけだ。だから表示言語だけでも15カ国語を網羅している。無限の広がりを感じさせる多様性がe-Learning型サイトとの決定的な違いの一つである。
■楽しみながら使える語学を学ぶ
「それより何より、やはり楽しさが我々のサイトの最大の強みではないでしょうか」
楽しさとは何か。人はコミュニケートせずにはいられない生き物である。だから人間にとっての最大の楽しみはコミュニケーションである。そもそも何のために外国語を学ぶのか。その国の人とコミュニケートしたいからではないか。覚え立ての言葉を使って、たとえ拙くともネイティブと会話できる、教えてもらえる。その楽しみ、このダイナミズムは相互扶助型だからこそ実現できた魅力だろう。
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FMO第30弾【ランゲート株式会社】
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