マネジャーが業績を達成するための出発点は、部下の才能を業績に結び付ける一番の方法を見つけ出すこと。 第2弾では、部下との向き合い方の勘所について紹介し、優れたマネジャーはチェスをする真意を考える。
人は群れで生きる動物で絆を結ぶ習性がある。
絆ができると次々といい事が起きる。
安心感が得られ、進んで相手を励まし、リスクを負い、お互いを助け合うようになる。
優れたマネジャーは、意図的にはっきりと気づかいを部下に言葉で伝える。
成功を願っていると言い、自信を持たせ続ける。
部下に甘いということではなく、業績の悪い部下にはすぐに厳しく対応する。
気にかけている部下に成功を収めてほしいからこそ、凡庸な仕事ぶりには耐えられない。
気にかけることは、時に厳しく叱ることでもある。
優れたマネジャーは、部下一人ひとりの幸福と成長を心から気にかけなければならない。
それができないなら、マネジメントから手を引くべきである。
優れたマネジャーがチェスをするとは、どういうことだろうか?
チェスの駒の動きは多様だが、部下の個性は複雑であり、同じ部下でも時によって働きが変化する。
指し手として効果的に部下を動かそうとしても、部下には感情がある。
優れたマネジャーは、部下が動かされる駒ではなく、あたかも部下自身が主体的に駒を動かすような「指し手感覚」を持たせることができる。
前回紹介したスキルをおさらいしよう。
「きちんと人を選ぶ」ときに、実際にどの業務を任せるのか。
適材適所が理想だが、状況によっては育成的視点でチャレンジさせることも必要であろう。
「期待する内容を明確に示す」とは、目標設定のスキルなのか。
職場を取り巻く環境を的確に掴み、上位部門と連携した目標を作る論理的な目標設定スキルが必要となるが、それを実行するのは部下である。
部下に期待の形で表現して納得させ、鼓舞してやる気にさせる。
「目標による管理」ではなく「期待による管理」となれば、さらにマネジメントのレベルは向上する。
紹介したマネジャーの4つの基本スキルがうまくなれば、マネジャーとして失敗するリスクは減るであろう。
しかし、優れたマネジャーであれば、この4つの基本スキルが成功を保証するレベルではないことを理解しているはずだ。
参考文献:「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」
(マーカス・バッキンガム著、加賀山卓朗訳 日本経済新聞社)
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2007.09.11
2007.09.20
増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。