企業は適性検査と称して性格検査を実施しているところが多くあります。なぜ企業が性格を知りたがるのでしょうか?性格の問題と捉えているような部分は実は別の検査を実施しなくてはならないのではないでしょうか。
「そんなことする性格には見えませんでした」
そういうことを起こしそうな性格という言い分もわからなくもないですが、性格が良いから問題を起こさないというわけでもありません。
また、ある有名な性格検査は、元々、軍などが使っていたものが基本となっていると聞いています。
潜水艦などに搭乗させるなどにあたって、性格検査をしたそうです。
それはなぜか?
潜水艦というのは事故による致死率が高く、ちょっとした奇行が命取りになるそうです。
そうしたことを起こさないような性格の人を乗り込ませないように入念に検査をしていたそうです。
そうした流れの検査を現代まで持ち込み、地上に勤める新入社員に対して実施しているのですから、とても不思議なものです。
●それは本当に性格の問題か?
性格が悪いといいますが、本当にそれは性格の問題でしょうか?
性格という言葉が曖昧にそして便利に使われています。
もし、人材採用が性格で判断されるとしたら、生まれたときから人生が決まっているようなもので、親を恨むしかなくなります。
性格の問題と呼ばれているものの多くが、感情能力の問題と言い換えることができます。
たとえば、「キレやすい」という言葉があります。
これは性格ではありません。
「キレやすい性格」という言葉はありますが、キレやすい行動は治るので「治らない性格ではない」のです。
キレてしまうのは感情能力の問題です。
どこかその人なりに、キレるに至った動機(センサー)があるはずです。
そのセンサーがたくさんあって敏感であれば、すぐに怒りMAXに達してキレるという行動に表れるのでしょう。
また「頼まれると断れない性格」という言葉もあります。
人から物事を頼まれると断れなくて、ついつい抱え込んで爆発をしてしまう人がいます。
でも、頼まれたことをを断るには、技術も必要です。
性格的なものが全く含まれないわけではありませんが、頼まれても断ることは訓練でできます。
ですから、これも性格ではありません。
「性格は変わらないもの」という認識は一般的ですが、ほとんどのものは感情であり常に変化します。
常に変化している感情ですから、行動を変えていくことによって感情の表れ方もどんどん変化していきます。
感情の状態が習慣化され、常に同じ反応をしてしまうようになってくると性格と呼ばれてしまうこともあります。
●企業が測るべき検査とは
人材採用の方は、どんな人を採用したいのでしょうか?
いつ表れるかもわからないその人の見えない部分の性格を知ることが重要でしょうか?
次のページキレる人、我慢できずすぐに辞める人、空気が読めない人・・・
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.11.30
2010.08.26