人間にとって腰痛は直立二足歩行を始めた時からの宿命であるといわれているように、腰痛は全人類共通の悩みの種といえるのかもしれません。腰痛の対処、改善といえば「腹筋と背筋の強化」が一般的ですが、短絡的に腹筋と背筋を強化しても腰痛が改善出来ないことも少なくありません。
このタイプの腰痛は、基本的には体幹の伸展位保持すなわち過度の腰椎前弯姿勢が腰痛の原因と考えられます。この場合の運動療法の目的は「腰椎前弯の軽減」となり、
1.腹筋の強化(仰向け・膝屈曲位)
2.ベッド上で両膝を立てた姿勢からの両足の抱え込み
3.骨盤後傾運動(腹筋に力を入れ,腰を床に押しつける 等)
4.大腰筋,大腿四頭筋(特に大腿直筋)のストレッチ
等を行なうとよいでしょう。
但し、後屈障害型腰痛には加齢に伴う椎間関節障害の一部や変形性脊椎症、腰椎分離症、腰椎すべり症などが含まれるため注意が必要となります。
【長く座っていると痛みが生じる場合または身体を前に曲げると痛みが生じる場合】
(一部の前屈障害型腰痛)
このタイプの腰痛は、基本的には体幹の前屈位保持すなわち過度の腰椎後弯姿勢が腰痛の原因と考えられます。この場合の運動療法の目的は「腰椎後弯の軽減」となり、
1.腹臥位保持,肘立て腹臥位
2.腹筋群の筋力強化(仰向け・膝伸展位)
3.背筋群の筋力強化(腹臥位)
4.骨盤前傾運動
5.大腿二頭筋のストレッチ
等を行なうとよいでしょう。
但し、前屈障害型腰痛には椎間板ヘルニアの一部が含まれるため注意が必要となります。
このように、腰痛といって痛みの原因は様々であり、腰痛のタイプによって対処方法、改善方法が異なります。
以上を踏まえて、腰痛は「腹筋と背筋の強化」という短絡的な改善法で解決しようとせず専門家の下で正しい対処によって改善することをお薦め致します。
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