食事制限によるダイエットは本当に効果的なのか!?

画像: Sharon & Nikki McCutcheon

2015.07.10

ライフ・ソーシャル

食事制限によるダイエットは本当に効果的なのか!?

野口 克彦

最もポピュラーなダイエット方法である「食事制限」。果たして食事制限によるダイエットは本当に効果的なのか!?を検証してみたいと思います!!

このような状態が進むと、私たちの身体は血糖を維持するために、肝臓に蓄積されているグリコーゲンを分解して血糖を補充し、さらに骨格筋が分解されて血中に放出されたタンパク質(糖原性アミノ酸)から肝臓で血糖が生成されることが明らかにされています。

これらのことから、食事制限によるダイエットは除脂肪体重(特に筋肉)を減らす可能性が高く、体脂肪の減少には有効ではないといわれているのです。

ところが、絶食時には、血糖を維持する(血糖を節約する)ために体脂肪がより多く分解され、血中に放出された脂肪酸が優先的にエネルギー源として利用されることになります。

従って、食事制限は体脂肪の分解を促し脂質を優先的にエネルギー源として利用することが可能となるといえるので、ダイエットに有効であるとも考えられているのです。

しかし、一部の脂肪酸を除いて脂肪酸からは血糖が生成されないため、脳のエネルギー源を維持するという側面では機能していません。

つまり、人間の生命維持という点に着目すれば、食事制限によって体脂肪の分解が促進されること以上に、肝グリコーゲンの分解や骨格筋の分解による血糖の生成が優先される可能性が高いのです。

もちろん、糖質の量や種類によってはこの限りではないことも考えられますが。。。

(ちなみに、絶食が続き「飢餓状態」に陥ると脂肪酸は肝臓で「ケトン体」という物質に変換され血中に放出されることになり、このケトン体が血糖の代替として脳のエネルギー源として利用されることになりますが、ケトン体が多く作られているということは飢餓状態を意味しダイエットどころではないでしょう。。。)

そして、脂肪酸が骨格筋においてエネルギー源として利用されるためには糖質(血糖あるいはグリコーゲン)が骨格筋によって分解される際に生じる「オキサロ酢酸」が必要となることから、体内における糖質が絶対的に不足している状態では脂肪酸がエネルギー源として利用され難くなる可能性が高いかもしれません。

■結局は。。。

以上を踏まえて考えれば、食事制限によって体脂肪が減少することは事実であるものの、生命維持機能を考慮すれば体脂肪の減少以上に除脂肪体重が減少する可能性があり、食事制限は効果的なダイエットであるとはいえないでしょう。

従って、体脂肪を減少させるためには脂肪酸がエネルギー源として利用される状態を引き起こすこと、すなわち、骨格筋でのエネルギー需要量の増大=身体活動量の増大が必要であると考えられる訳です。

つまり「食事制限と運動を組み合わせたダイエットが効果的である。」ということになる訳ですね。

ということで、皆さん、運動してますか!?って毎回同じことの繰り返しでスミマセン(苦笑)

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