『LEON』『zino』など数々の人気雑誌を創刊してきた岸田一郎氏が、動画サイト「LUXURY TV」をスタートした。「Web動画には可能性がある」「ちょいワル、モテは封印」と語るその真意とは。[吉岡綾乃,Business Media 誠]
プロッツは7月14日、動画を中心にラグジュアリー情報を発信するサイト「LUXURY TV」をスタートした(参照記事)。富裕層をターゲットとし、ファッション、クルマ、ゴルフなどなど、“ラグジュアリー”全般を扱う。
LUXURY TVの制作総指揮であり、自らも多く動画に出演するなど、同サイトの“顔”が岸田一郎氏。パンツェッタ・ジローラモ氏をイメージキャラクターに据えた『LEON』、その姉妹誌で“艶女(アデージョ)”の語を流行らせた『NIKITA』、富裕層向け“ちょいワル”雑誌『ZINO』の創刊編集長だった人物だ。
紙の雑誌の編集長としてキャリアを積んできた岸田氏だが、実は以前から富裕層向けWebサイトにチャレンジしており、ファッション誌のWeb展開がそうラクではないことはよく知っている(参照記事)。その岸田氏が、今あえて動画サイトを立ち上げた理由を聞いた。
紙かWebか、は問題ではない
――岸田一郎さんといえば、紙のファッション誌の編集長というイメージが強いと思います。今回、Web動画を中心に据えたサイトを始めた理由は何でしょうか。
岸田 (質問のように)紙かWebかという話になりがちだが、それは違うと思っている。大事なのはコンテンツのはず。雑誌かWebかというのは、「どう伝えるか」だけの違いだと思っている。
「紙が恋しくないんですか?」とよく聞かれるけど、僕は紙やインクのにおいが好きで編集者になったんじゃない。面白いのは読者をわくわくさせるもの、コンテンツの影響力なんですよ。この思いはずっと変わっていない。今はいろいろな発信手段が出てきたのだから、紙という形にこだわる必要はないはずだ。スタイルが違うだけ。
――なぜ動画、それもWebなのでしょう。
岸田 2008年9月に立ち上げた(LUXURY TVの前身である)KISHIDA DAYSでも、僕は動画が大事だと思って、たくさん動画をやってきた。何と言っても、動画は圧倒的に分かりやすいから。ネット動画という手段が出てきたことで、伝えたいことをオンデマンドで伝えられるようになった。動画という手段は、すごく効率的でしょう?
――紙に比べて、ということですか?
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