初めて会う人からよく言われます。「唐澤さんって居酒屋なんていかないんでしょうね?」。思わず「えっ・・・?」ということになるのですが、これは大いなる誤解です。ガード下の焼き鳥やは大好きだし、ワインより日本酒、しかも常温でコップ酒。焼酎は臭い芋ロックをがんがん飲むのに・・・・・・。これって自分自身のマーケティングの失敗?
「おまえは、早稲田に入ると思ったけどな!」
お茶の水女子大学に入学が決まったときに高校の同級生から言われたことです。小学校、中学、高校と男子と取っ組合いの喧嘩をする私でしたから、誰しも女子大なんて想像しなかったのでしょう。
そして、大学入学すると同時に二輪の免許を取り、大学にオートバイで通い、校内の銀杏の木のまわりを限定解除のための八の字走行を練習するなど、大学の同級生からは異端児として見られていたようでした。
化粧っ気もまったくなく、排気ガスで顔は時折真っ黒だし、北海道や九州に旅に出れば1ヶ月は帰ってこない。そんな男勝りの性格のためか、同級生たちは頼んでもいないのに授業を休むと代返してくれていたり・・・・・・。ずいぶん彼女たちから救われたものです。
そんな私がなぜかノエビアという化粧品会社に入社。
そのころのノエビアは、わずか創業6年なのに年商数百億円という、最近でいえば「飛ぶ鳥を落とす勢いで成長するITベンチャー企業」のような存在でした。男女雇用均等法施行前でしたから、ほとんどの企業は男女の初任給は同一でなかった時代に、ノエビアは外資系企業と同様に男女同一賃金であり、しかも全員が総合職だったのです。
会社説明会のときの先輩女性たちがイキイキと働く姿を見て、ここだ! と直感で感じたのでしょう。それからというもの、化粧を覚え、リクルートスーツも通例の紺ではなく、ココアブラウンのマーメイドスタイルを選びました。そんな変化を大学の同級生は不思議な目で見ていたに違いありません。私なりの自分マーケティングだったわけです。
結果、ノエビアに晴れて入社。入社式のときに社長が会社の敷地内にヘリコプターで颯爽と降りてきたことを今でも鮮明に覚えています。フレディ・マーキュリーの「BORN TO LOVE YOU」のCMの印象そのままだと、同期入社120名は興奮状態に陥いり、社長めがけて握手を求めに駆け寄ったことは懐かしい思い出です。
さて、それからが大変でした。訪問販売であるノエビアの新入社員研修は全員が飛び込み販売(1件1件訪問して歩き、知らない土地で化粧品を売る実地研修)でノルマを達成しなくてはいけません。ハイヒールの中の足から血を流しながら1日100軒以上売り歩いたのものです。
懐かしい話にそれてしまいましたが、ここで言いたいことは120名の同期入社者の中で体も大きいし酒も強かった私は、同期から「同期の中で支店長1番のり」とか「付き合いたくない女子同期NO1」などと言われ、居酒屋がもっとも似合う女と評価されていたのです。
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2016.03.20
2015.07.10
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役
「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。