筆者が「ちょっぴりイケてない」というイメージを持っているファッションブランド「しまむら」。しかし、この不況下でも売り上げと利益を確保し、新規出店も意欲的に行っているという。しまむらはなぜ人気があるのだろうか。 [郷好文,Business Media 誠]
彼女は埼玉県越谷市で生まれ育ち、渋谷通いでモデルになった。都心3県(埼玉県、千葉県、神奈川県)の市外局番04地帯の若者のリアリティとドリームを背負う存在だ。それを『2つの“センターGUY”を結ぶ点と線』と表現したい。「渋谷センター街を歩く若者」とかけて、そのココロは実は「ファッションセンターGUY」ばかり。渋谷と、地元民しか分からない地名店舗の2つの点を結ぶ線が、直通乗り入れ電車である。
しまむらプライドというポジショニング
郊外でしかもB級立地という“身の丈リアリティ”でありながら、「実はトレンドセッターにもなれるじゃん」、そこがしまむらのアンビバレントな魅力だ。その消費心理が“しまむらコンプレックス”を“しまむらプライド”へと突き抜けさせた。
みんなが「私はしまラー」と胸を張れなかったころ、しまむらは図の左下、身の丈価格で微苦笑コンプレックスを抱えるポジションだった。だがトレンド企画力を付け、点を線で結ぶ若年層しまラーを味方につけて、「身の丈 but プライド」にランクアップした。
このポジションは相当ユニークだ。なぜならGAPもユニクロもH&Mも、大きくなるとみんな右上の「高級 and プライド」に向かう。効率性と大量販売を志向するのがフツーだ。一方、しまむらは店舗規模を保ち、宝探しができる品揃えを徹底し、身の丈価格を付ける。“ しまむらプライド”という独特なポジションを築いた。
でも果たして私は“しまラー”なプライドは持てるのか。それは着てみんと分からんね。
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