昔から慣れ親しまれてきたサクマ製菓の“いちごみるく飴”。 「サクサクおいしい」「コリコリ食べれちゃう」という斬新なフレーズで当時から消費者から絶対的な支持を得ている。 ここまでの長期間にわたって人気を保っている秘訣とはどこにあるのだろうか? そして、今後の戦略はどのようなものなのだろうか? 今回はサクマ製菓“いちごみるく飴”の裏側に迫る。
■ 利用者層を拡大させ、更に成長
元々、街のお菓子屋で「いちごみるく」を売り始め、お菓子屋の衰退とともにスーパーやGMSにチャネルを変化させていった。このチャネルの変化にともなって、購買層は子どもから子どもと一緒にいる主婦層まで広がることになった。
こうして、順調にチャネルが広がっていったかのように見えたサクマ製菓であったが、ある問題にぶつかることになる。その問題とは、元々「いちごみるく」を購買していた子ども層が成長したことによる「いちごみるく離れ」であった。
サクマ製菓は、この「いちごみるく離れ」を防ぐために、子どもの成長に合わせたチャネルを展開していくということを行った。
1990年代においては、若者が買いに集まる総合雑貨店に商品を展開し、また、彼らが頻繁に利用するコンビニ、売店、アミューズメント施設などにも展開していった。さらに、主婦層に対しても「あの懐かしのお菓子」というコンセプトで告知していくことでスーパー等の量販向けの展開をさらに強化していった。
こうして、当時の子どもだった世代の成長にあわせたチャネル展開ができたことで、見事購入層の拡大に成功した。また、主婦層を通して、親から子への認知の拡大を果たしていった。このような努力が巧を奏し、全世代に「いちごみるく」ブランドが浸透していった。
■ 不動のポジショニング
なぜ、同じフレーバーが様々なチャネルにおいて散見される中、「サクマのいちごみるく」が選択されるのか。それは、アメのコンセプトに起因すると考えられる。従来のアメは、様々なフレーバーで消費者に飴を提供していたが、サクマ製菓のアメは、「カリッ、コリッ」「噛む飴」といういわば食感という切り口で、消費者に新しいアメを提案したのだ。
当時では、斬新なコンセプトとパッケージで、従来にないインパクトを打ち出し、イメージを定着させた。ブランドイメージが定着したことで、他の人気商品同様に先行者メリットを最大限享受できたのである。
今後の展開について、担当者は次のように考えている。
「新商品を次々と投入し、小売棚の確保・拡大していくためには、いちごみるくのシリーズが展開できるようなブランド確立が必要不可欠です。」
子どもから大人まで楽しめるアメ「いちごみるく」。担当者は新たな試みとして、さらなる販売領域の拡大を目指し、その一環として「いちごみるく」のグッズ化を実現させた。次はどのような商品で我々消費者を楽しませてくれるのだろうか。
次のページ『 経 営 企 画 室 . c o m 』
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.06.09
2009.06.10