ホンダ「インサイト」でロングドライブ!実用燃費/使い勝手は!?(1)

2009.05.26

営業・マーケティング

ホンダ「インサイト」でロングドライブ!実用燃費/使い勝手は!?(1)

ITmedia ビジネスオンライン
“ニュースを考える、ビジネスモデルを知る” ITmedia 編集部

自動車業界に逆風のニュースが多い昨今、明るい話題を振りまいているのが本田技研工業のインサイトだ。“カジュアルなハイブリッドカー”として登場したインサイトの実力は、いかほどのものなのか。GWに高速道路のETC割引を利用して、仙台から東京までロングドライブ。特徴的なメーター周りも動画で紹介しよう。[神尾寿,Business Media 誠]

 パラレル方式の優位性は、その機構がシンプルであり、小型軽量化や低コスト化がしやすい点にある。実際、インサイトは車台のかなりの部分をホンダのコンパクトカー「フィット」と共有しているが、IMAがコンパクトだったため、その小さなパッケージでもハイブリッド化が実現できた。またハイブリッドシステムが軽いということは、エンジン主体で走る走行領域において実用燃費を向上する効果もある。

 しかし、その反面、パラレル方式ではモーターはあくまでエンジンの補佐であるため、“モーターだけで走る”ことはできない。インサイトではエンジンの気筒休止技術を用いて、モーター動力だけを利用する走行モードも存在するが、それはエンジン内に燃料が噴射されていないだけで完全に停止しているわけではない。またモーターの貢献度が小さいため、ハイブリッド化による直接的な燃費向上効果は、後述するスプリット方式ほど大きくない。

 一方、スプリット方式の優位性は、エンジンとモーターの動作を効率よく制御すれば、パラレル方式以上の低燃費が実現できることだ。実際、歴代のプリウスはほかのパラレル方式ハイブリッドカー以上の燃費性能をマークしている。またパラレル方式と違い、主動力を切り替えられるので“モーターだけ”の走行も可能だ。

 こうしたメリットがある反面、スプリット方式は機構そのものが複雑であり、小型軽量化や低コスト化がパラレル方式よりも難しいという弱点を持つ。例えば、長年スプリット方式を採用するトヨタにしても、今後登場するプリウスより小さいコンパクトカークラスのハイブリッド化は、現行のTHSと異なる方式になるだろうとコメントしている。

予想以上に快適なインサイトの高速巡航

 前置きはこれくらいにして、インサイトのレポートに入ろう。

 今回、筆者がロングドライブテストとして選んだのは、東京都内から宮城県仙台市までの往復約800キロ。GW中の「休日特別割引」を利用し、1日で往復する強行軍だ。なお、インサイト側の設定では、低燃費走行モード用の制御を行う「ECON」を常時ONにしておいた。

 早朝5時。眠い目をこすりながらインサイトで出発。朝の首都高はまだ混雑しておらず、合流車線に向かう加速もスムーズだ。

 インサイトの搭載するエンジンは、1300ccの排気量を持つi-DSI型4気筒SOHC。気筒あたり2つの点火プラグを持ち、タイミングをずらして着火する位相差点火をさせることで高トルク・低燃費・低排出ガスを実現したエンジンだ。その基本設計はフィットと同じであり、可変バルブタイミング機構のi-VTECなどの仕様をインサイト用に作り直している。

次のページインサイトのエネルギーモーター

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