共に働く部下・スタッフたちのやる気を高め、 また維持するためには、 「ほめるな、ねぎらえ!」 ということが重要だといわれますね。
ところが、「頭がいい」と能力をほめられた子供たちは、
その後、新しい問題にチャレンジすることを避けるように
なったのです。
なぜなら、万が一、いい点が取れなかったら、
ほめられないから。そして、「自分は頭が良くない」
という判断材料になってしまうからです。
実際、その後、別の難しい問題を出されて、
あまりいい点が取れなかった時、
「自分は頭が悪いのだ」
と思い込んでしまったそうです。
(そのため自信を失ってしまい、努力しなくなった)
一方、「がんばったね」と努力をほめられた生徒たちは、
その9割が新しい問題にチャレンジすることを選んだのです。
いい点が取れるかどうかに関わらず、
難しい問題に取り組んだ「努力」が評価されることが
わかっていたからです。
ですから、難しい問題がなかなか解けなくても、
それは頭が悪いからと考えるのではなく、
「解けるようになるまでもっと頑張らなきゃ」
と考えて取り組むのです。
さて、上記の2つのグループのうち、
その後、能力がぐんぐん伸びて、結果的に
知能検査で高い成績を取れるようになったのは
どちらだったと思いますか?
もちろん、努力をほめられた、
つまりねぎらわれた子供たちでした。
この実験結果をまとめると、以下のことが言えます。
能力をほめると生徒の知能が下がり、
努力をほめると生徒の知能が上がったことになる。
この文章、「生徒」を「セールスパーソン」、
「知能」を「販売成績」に置き換えることも可能ですよね。
その本来の意義が十分理解されず、
「結果主義」
に走ってしまった企業の「成果主義」のほとんどが
失敗に終わったのは、こうした実験結果を踏まえると
必然だったのかもしれません・・・
*参考文献
『「やればできる!」の研究
-能力を開花させるマインドセットの力』
(キャロル・S・ドゥエック著、今西康子訳、草思社)
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2009.05.09
2010.03.20
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。