もはや常識!?ダイバーシティ・マネジメント⑤

2009.04.06

組織・人材

もはや常識!?ダイバーシティ・マネジメント⑤

山岡 仁美

施策や仕組みづくりなど、ともするとややこしいダイバーシティ・マネジメントですが、基本は“発展的コミュニケーションスキル”です。

ダイバーシティ推進の現場でのキーアクションを、具体ケースから、考えてみましたが、それらは、ひとりひとりの従業員の能力を引き出し、メンバーの多様性、組織の力につなげるような、職場内・職場間での動機づけがないと機能しません。豊富なプログラムやアイテム、チャンス、制度を設けても全く意味がなくなってしまいます。

「イタリア人は陽気」「ドイツ人は生真面目」「日本人は礼儀正しい」「女性は感覚で動く」「高齢者は頭が固い」など、多様性のそれぞれの特質の一般的な解釈があることでしょう。それら多様性に通用する働きがけが、ダイバーシティ推進の大きな鍵になってきます。つまり職場内や職場間での発展的コミュニケーションが、ダイバーシティ推進の原動力になるということです。

その捉え方として、「コンテキスト」で考えて見ましょう。「コンテキスト」とは直訳すると文脈という意味ですが、コミュニケーションを取り巻く物理的、社会的、心理的、時間的な全ての環境を指し、これがコミュニケーションのスタイルや内容に大きく影響していると考えるものです。顔の表情、ジェスチャー、対話する者同士の関係性、場所やタイミングなど、全てが関わります。

私たち日本人は同僚が発する「わかりました」が“心からその仕事がやりたい”なのか“嫌々引き受けた”なのか、だいたい聞き分けることができます。一方典型的な低コンテキストとされるアメリカでは同じような状況で「OK」といったなら、積極的なのか消極的なのか、察してもらえる確立は低いというわけです。低コンテキストのカルチャーでは、意味合いよりも言葉やメッセージそのものが直接的影響力を持っているからです。

低コンテキストに対処できる言葉やメッセージそのものの“発展的コミュニケーションスキル”を持ち合わせていると、多様性を活かす組織環境にダイレクトに貢献できる効果性が考えられます。例えば、「言葉や文書で的確に明示する」「直接的な表現をする」「議論や意見交換を歓迎する」など、日常業務の中でできることは多くあります。
同時に、それらの“発展的コミュニケーションスキル”はキャリアカウンセリング、コーチング、メンターなどの施策やプログラムの中でも、実際の職場内職場間の様々な場面でも活用できるものです。

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