テレビ東京系の長寿番組といえば「開運なんでも鑑定団」。1994年4月が第1回放送なので、今月でちょうど15年目になる長寿番組。その上、安定的に高視聴率を稼ぐ国民的番組なのである。
『名古屋では持ち家比率、車の所有台数、貯蓄率などが高い一方、クレジットカードの利用率、負債率が低い。夜も早くどちらかというと都会型より農村型といえる。堅実で質実剛健の気風にはフーテンの寅さんはなじまないのかもしれない』
『名古屋人は総じて教育・教養・実用的な番組を好み、こうした番組は他地区と比べて視聴率が高い傾向がうかがえる。実生活に役立つかどうかという視点でテレビ番組を見ている人が多い。その証左のひとつとしてミステリー番組の視聴率の低さを指摘する新聞記事があった。いくらミステリーを見ても実用的ではなく、何の役にも立たないからだというのである』とある。
名古屋人にとって「開運なんでも鑑定団」は、まさに「お値打ち」な番組なわけである。
名古屋人のビジネスを語るサイト「NAGOYA ビジネス極意ブログ」には、こんな表記がある。
『名古屋では、海外ブランドの代名詞とも言える「ルイ・ヴィトン」が人気。その中でも、誰が見てもひと目でそれと分かるようなロゴマーク入りの定番モノグラムが大人気だという。 これは「他の人と一緒でなくては、どうにも居心地が悪い」という名古屋人気質によるところが大きいと言えます。それさえ持っていれば、人並み=安心という 図式が名古屋では成り立っており、ほかの人から「ルイ・ヴィトン」と気付いてもらえなければ、高いお金を出してまで買った意義が無いと考えてしまうので す。逆に言えば、それと気付いてもらえれば、リサイクルショップで購入したものでも構わないのです。すなわち「お値打ち」感がグッと強くなります。このよ うに、名古屋のビジネスを制するにはまず、この「お値打ち」感を強く意識させることが重要であると言えます』
「人並み」「お値打ち」=大衆が大好きなことを考える。それが、名古屋ビジネスであり、発展途上国へ拡大して行くであろう21世紀型ビジネスの極意が、「開運なんでも鑑定団」好きの名古屋には、あるというのだ。
「自己評価」が「正当な評価」より高いほど、その参加している素人さんがエンターティナーとなる構造がある「開運なんでも鑑定団」。
それこそ、コストパフォーマンスである。
お値打ちの「お宝」を見るふりをして、一番「コストパフォーマンス」の高い素人さんを発見し、笑うことができる。
それこそが、人間の、明日への糧なのである。
「開運なんでも鑑定団」は、名古屋ビジネス的にも、「お値打ちな番組」なのである。
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私的マーケティング論
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。