スタバの変化と上場リスク

2008.12.22

経営・マネジメント

スタバの変化と上場リスク

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

スターバックスの問題についての金森氏の指摘を参考に、飲食業の上場リスクとスタバの現状について、さらに議論を深めてみたい。なぜ、スタバは「らしさ」を失い変わってしまったのだろうか。

その結果が今のスタバである。もはやスタバは『サードプレイス』ではあり得ない。当初のスタバファンが嘆くのも当然だ。だが、以前のスタバファンは「スタバはいつも混んでいて行く気がしない」という。つまりスタバは依然として流行っているのだ。客層は変わってしまったけれども。

変化してしまったスタバ

売上高が示している通り、スタバの客数は増えている(客単価も上がっているのかもしれない)。メインとなる客層は変わってしまったのかもしれないが、たとえば高校生などにとっては人気のお店なのだ。しかも飲食店経営の要となるP/L比は、ざっと55%。極めて優れたパッケージといえる。そしてまだ、昔のスタバファンも文句を言いながらもスタバに通っている。筆者も金森氏もそうである。

ただ、今のままでは旧スタバファンはいずれ離れていく。そのとき、スタバがどうなるのか。店の中にはサードプレイス感を維持しているショップもあるが、客層が変わってしまったスタバが「サードプレイス」という統一コンセプトを維持できるはずがない。すなわち今の価格帯を維持できるとは思えない。そのときスタバがどう変わるのか。アメリカ本社並みに思いきってコーヒーの価格を下げるのだろうか。

今期のスタバの決算短信がでれば、営業利益が減っている原因がわかるだろう。来年4月ぐらいにはこれからのスタバの方向感が見えるのではないだろうか。

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