7Sの使い方

2008.12.22

仕事術

7Sの使い方

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

あまり流行りませんし、使わないですし、理解されていないフレームワークですが、名前だけは有名な7Sというフレームワークがあります。私は意外と提案書に使ったりしますが、7Sという名称は伏せて図解に使う程度ですね。今日は7Sをまじめに考えてみようと思います。

 7Sには、「組織の」とつける人がけっこう多いと思います。

 私も、ビジネスシステム全般の改革提案をする場合には、7Sをチャートで使います。

 成り立ちからして、そういうところでしか使いようがない面もあるとも言えます。

 どういうことかを少しずつご説明してきます。

 まず、7つのSは何かと言いますと、ストラテジー(戦略)、ストラクチャー(組織構造)、システム、シェアードバリュー、スタッフ、スキル、スタイルの7つです。この7つで、企業を見ていきます。

 そして、ソフトの4Sとハードの3Sに分かれます。ソフトの4Sというのは、スタッフ、スタイル、スキル、シェアードバリューの4つを指します。

 この4つは、企業がある程度以上の大きさであれば、強力なホメオスタシスが働き、固定的に存在しているものですね。

 ハードの3Sは、ストラテジー、ストラクチャー、システムの3つですね。この3つは、けっこういじることができます。組織変更なんて、毎年のようにありますよね?

 組織図をいじって、配置転換するというのは、ストラクチャーをいじっているんですね。また、毎年、中計の微修正はしていますよね?ストラテジーと同一に語るのはよくないかもしれませんが、わりあいと簡単にいじります。

 また、業務改革と称して、ビジネスプロセスを変えたり、人事制度をいじったり、情報の流れをいじったり、というのはありますよね?

 ハードの3Sは簡単にいじれるものです。ハードの3Sをいじって、ソフトの4Sをすこーしずつ、変革していくような感じというと伝わるでしょうか?コンサルタントのセリフとしては相当弱気ですけどね。

 それで、なぜ、業務改革などに使えるチャートかと言いますと、たいていは、方向性は漠然としていても、なんとなくあるものです。

 その方向性を、今いるスタッフを活用しつつ実現して行こうとした時に、システムとストラクチャーをいじって実現していきましょう!となるのはありがちですよね?

 組織をいじりましょう!とか、業務をいじりましょう!とか、人事制度をいじりましょう!とか、情報のあり方を変えましょう!とか。

 そういうコンサルタント、見たことないですか?

 いっぱいいます。私もその1人かもしれませんね。

 ただ、すごーく戦略優位の企業もあって、そういう企業は、戦略を実現するために、システムとストラクチャーをしっかり組んで、そこに人をどこかから引っ張ってきて、充て込んでいく、リテンションを図っていく、成長を図っていくという企業もありますね。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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