ようやく日本からも、正真正銘、ワールドクラスのネットサービスが生まれた。GPSとGoogleマップを使い、自分が訪れた場所にメモを残す『メモリ』。世界の見え方を変える可能性のあるサービスの本質に迫る。
【Insight's Insight】
ネット上のサービスといえば、そのほとんどがアメリカ発である。しかし、今回の「メモリ」は間違いなく、日本が生んだ世界初のサービスだ。ガラパゴスなどと揶揄されはするが、ケータイについてはインフラ、リテラシー共に世界トップレベルにある日本だからこそ誕生したサービスといえるのかもしれない。
これほど画期的なサービスであるにもかかわらず、「メモリ」は少なくとも今のところビジネスとしての展開を考えていないという。かといって大川氏が、伊達や酔狂で始めた道楽ではもちろんない。創成期から日本のネットビジネスに深く関わってきた大川氏だからこそ思いつき、ブラッシュアップを重ねて立ち上げることができたサービスがメモリなのだ。
技術的には、いずれ誰かが思いついた可能性のあるアイデアといえなくもない。しかし、コンセプトは違う。自分が訪れた場所に百年後にやってきたひ孫が、百年前に自分が残したメモを見ることができる。このコンセプトには、余人の想像の域を遥かに超えたスケール感がある。大きくて深いのである。
今日、いま、この瞬間にも、人は自分が「今いる場所」で何かを思うはずだ。それをメモにして残す。その場所で、そのとき自分が感じた記録として。これは、自分がその場所で生きていたという存在証明になる。
だからこそ、永遠に続かなかればならないサービスなのだ。その意味でメモリの挑戦は、永遠に続くビジネスモデルの模索ともいえるだろう。
◇インタビュー:竹林篤実/清水優太 ◇構成:竹林篤実
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