2007.06.21
時代が求めるパーソナルブランド(1)
増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
新たなビジネスツールとして注目されている「パーソナルブランド」について考えていきます。 まずは、身近な話題から「パーソナルブランド」のドアを開きます。
パーソナルブランドへの注目
あなたは「ブランド」といったら何を想像するだろうか・・・
エルメス、ルイヴィトン、メルセデスベンツなど、日本人の「高級ブランド志向」に疑いの余地はない。
では、最近、注目されている「ハンカチ王子」「ハニカミ王子」「東国原宮崎県知事」などの社会現象をどう見るのか?
彼らは「人がブランドになった」存在であり、圧倒的な認知度により関係者に絶大な影響力を持っている。斎藤祐樹選手が出場すれば神宮球場は満員となり、石川遼選手が出場する関東アマゴルフには空前のギャラリーが集まる。
東国原知事にいたっては、地鶏だろうがマンゴーだろうが売れるし、宮崎県への注目度は飛躍的に向上している。単なる広告塔的な見方もできるが、野球関係者、ゴルフ関係者、宮崎県関係者にとどまらず、国民的なヒーローとなっているのは、彼らが広く夢や希望を与える「パーソナルブランド」を持つからであろう。
しかし、二人の「王子」は、周囲やメディアが主導でパーソナルブランドが構築されているものであり、本人に意図があったかどうかは不明である。一方、東国原知事は自ら意図的、戦略的に自分をブランド化した側面もうかがえ、それにメディアが想定以上の反応を示したと見るのが自然だと思われる。
Wikipediaによると、パーソナルブランドとは、「ブランドの概念や理論を個人にあてはめ、いわば個人のPRを行うための考え方である。自分ブランドとも呼ばれる。・・・以下略」とある。言い換えれば「その人が周囲からどのように認知され、その認知がどのような影響力を持つか」であり、能力だけでなく他者の認知が重要であるという考え方である。
個人がブランドの前面に出る時代になってきた
一方、私たちの生活レベルで見ると、スーパーやコンビニに行けば「○○プロデュース」のお弁当やラーメン、「△△セレクト」のワインなど、製品やサービスが持つ本来のブランドの前面に、個人のブランド(パーソナルブランド)を使った例が数多く見受けられる。
最近注目しているのは、気鋭のクリエイティブディレクター/佐藤可士和氏を起用した紳士服コナカの「SUIT SELECT21」ブランドのリニューアルである。
NTTドコモ、ホンダ、キリンビールといった一流メーカーの広告を手がけてきた佐藤氏の新規プロジェクトとしてメディアの注目度も高い。
湖中社長が自ら現場に足を運び、プロジェクトの模様がドキュメンタリー化されてテレビ放映されるなど、コナカとしては「佐藤可士和氏のパーソナルブランド」の恩恵を享受する形となっている。
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増田 崇行
株式会社クエストコンサルティング 代表取締役
2006年5月に株式会社クエストコンサルティングを設立しました。 組織人事領域におけるプロデューサーとして、クリエーターとのコラボレーションによりユニークなサービス、ビジネスを開花させてきました。今後も「Quest for the Human Brightness」をコンセプトとして、インパクトのあるサービスを開発しご提供することで、人と組織の本質的価値の向上に貢献できたらと考えています。