ようやく日本からも、正真正銘、ワールドクラスのネットサービスが生まれた。GPSとGoogleマップを使い、自分が訪れた場所にメモを残す『メモリ』。世界の見え方を変える可能性のあるサービスの本質に迫る。
「南極がとんでもなく寒いところだっていうのは、みんな知識としては知ってますよね。でも、実際に越冬隊かなんかで南極に行ってきた人が『あそこは、きついんだよ。ほんと、はんぱなく寒いから』と言えば、言葉の持つ力が違うじゃないですか」
自分がどこかに行くことは、すなわち自分が生きている証である。なぜなら人が生きるということは、動くことでもあるのだから。そして人は動くことによって、何かを感じる。つまり誰かの何らかの行動によって生まれた感情やそこから得られる情報は、その人の命によって、そのクォリティが担保されていることになる。
「もっとも、そんなにたいそうに考える必要はまったくないんです。サービスを立ち上げてから僕が書き残してきたメモは、どちらかといえばごくささいな身辺雑記ばかり。外で食事をするたびに何か書いたり、病院で打ってもらった注射がとっても上手だったぐらいの内容ですから」
情報といえば大切なのは鮮度、新しいほど価値がある。そんな思い込みにいつの間にか誰もが毒されていたのかもしれない。メモリに溜まっていくのは、決して最新情報ではない。たとえばいまメモリにはいろんなお店の情報が溜まっていきつつある。そのお店で実際に何かを食べた誰かが、おいしかったメニューをメモリに残す。次にその店に行った人が、自分が気に入った別のメニューについてメモる。そんなメモが溜まってくるとどうなるか。
「どこかへ行くとしますよね。そこでお腹がすいたなあ、なんてときにメモリにアクセスする。すると、自分がいる場所の近くにあるお店情報が瞬時に手に入る。しかも、その情報は、実際にそのお店に行って食べてきた人が感じたことばかり。これって意外に役に立つと思いませんか」
ありそうでいて、これまでどこにもなかったネットサービスがメモリなのだ。そのすごさは、まずGPSを使ったことと、ケータイに特化していることから生まれた。
⇒次回「Googleからアクセスできないように」へ続く(全四回)
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◇インタビュー:竹林篤実/清水優太 ◇構成:竹林篤実
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FMO第17弾【株式会社MemoLi】
2008.12.09
2008.12.02
2008.11.25
2008.11.18